番外編 アーキリム兄様とコーネル
番外として、結婚式でのアーキリムとコーネルの出来事を書きました。
よかったら読んでみてください。
「アーキリム殿、大丈夫か!」
大慌てで私、コーネルはアーキリム様に駆け寄る。
主ローザフラウ様とノーブル辺境伯様の結婚式。突然乱入した男女にアーキリム様が妹ローザフラウ様をかばって斬られた。
「私がいながらこのような事態に、あの女許せん」
私は抜剣した。
「待ってくれないか。恥ずかしながらあれは私やローザの親なんだ。君が斬り捨てるのはまずい」
「ぐっ」
確かに主人であるローザフラウ様の親を斬るのはまずい。
「どうすれば……」
「お兄様!」
ローザフラウ様が駆け寄りアーキリム様へ治癒魔法をかけた。
幸い傷は浅くすぐに完治した。
「さすがローザだ、ありがとう。しかし母はどうする?」
すると男、2人の父親が近づき声をかけてきた。
「アーキリムのことは助かった。わしらを侯爵家から追い出したのはお前だと思い逆恨みしていたが……」
ローザフラウ様の隣に静かに跪く。
私は一応警戒した。
「しかしそれは間違いだったようだ。どう考えてもわしらが悪い。頭脳明晰で魔法も得意なアーキリム、聖女とも言えるローザフラウ。侯爵家は誰もが羨む最高の家だったじゃないか」
「すまなかった、わしがもう少し……すまなかった……」
涙を流して謝っている。
「ローザーー!!」
なおも母親がローザ様を切りつけようと迫った。
母親は夫である父親を斬りつけ、それでも止まらず、ノーブル辺境伯様がローザ様をかばって刺された。
「コーネル、お願い!」
ローザ様が叫ぶ。
私はローザ様の母を斬った。
それで母親はやっと止まった。
ローザフラウ様は辺境伯様の治癒と父親の治癒を行ったが、母親は間に合わず亡くなってしまった。
(私の責任だ……)
私は主人の母上をこの手にかけた。
思い余って自害をしようとした。
それをアーキリム様が止めてくれた。
「何をやっているのだコーネル。お前は命じられて動いただけだ」
「それでもローザ様の、主人の親を殺してしまいました」
「そうしなければローザが死んでいたかもしれない。主人を守ったんだ、何が悪い」
そう言って抱きしめてくれた。
「えっと?」
私は少し落ち着いたところでアーキリム様に尋ねた。
「私はこの後もローザ様の護衛騎士を続けられるだろうか?」
するとアーキリム様は私を真剣な眼差しで見つめながら言った。
「コーネル、お前は私の妻になればいい」
プロポーズ? いや違う。慰め? それも違うような??
もうわたしは大混乱。
それからアーキリム様と手紙をやりとりして、王都に行った際にはお会いして……愛し合うようになるのに時間はかからなかった、と思う。
正直いつ好きになったのか自分でもわからない。
ある日、アーキリム様が辺境伯領の屋敷に突然尋ねてきた。
「ローザ、コーネルは俺の屋敷に連れて帰るぞ」
「はい、どうぞ。ノルにも許可はとってあるわ」
「えー!! 待ってください奥様、私そんな扱いですか!」
「コーネルがいないと正直困るわよ、でもコーネルにも幸せになって欲しいし。苦渋の決断よ」
どうみてもローザ様は楽しそう。
苦渋の決断の表情じゃない。
私が不満そうにしていると、
「コーネル、お兄様なら大丈夫、きっと幸せにしてくれる。アーキリム兄様とコーネル、完璧すぎて嬉しいわ」
さらにいい笑顔になった。
「もしかして私が王都に行く機会をわざと増やしてくれていましたか?」
奥様は何も言わず微笑むだけ。
そういう事なんだ、相変わらず自分より他人の幸せを喜んでくれる。
きっとローザフラウ様も旦那様と幸せになったから余計にみんなの幸せを喜んでくれるのね。
「ありがとうございます。お言葉に甘えて奥様と同じくらい、いえ、それ以上に幸せになってみせます」
「あらまあ、楽しみねえ」
ああ、この表情、本当に楽しみにしているわ、この人。
私はローザフラウ様に抱きついて泣いた。
ローザフラウ様は黙って私の頭を撫でてくれた。
なんかとっても嬉しい、幸せな気分。
ローザフラウ様、アーキリム様、こんな素敵な兄妹に大事にされているなんて。
私って本当に、最高に幸せ!
いつもお読みいただきありがとうございます。
番外編、書き上がったものから投稿しました。
できればあと2話ほど投稿したいと思っています。




