第48話 聖魔法の治癒能力
「ではローザ、このあと村人を診ていこう」
「はい。村長さん、怪我や病気のある方を集めてください」
「先ほど声をかけましたが本当によろしいのでしょうか? 急なことで皆、服も汚れたままです」
「それはいつものことです。全く構いません」
村の中央部にある広場に村人が集まっている。
「では早速始めましょう」
一人ひとり話を聞きながら治癒をしていく。
アーナが聞き取りを手伝ってくれている。
旦那様とコーネル、フェルミナ、コルが常にそばで見守っている。
「ああ、治ったぞ、信じられない。5年も前に骨折して固まっちまってたのに。これぞ奇跡じゃ。さすが聖女様じゃ」
ちょっと大げさな人(笑)
次の人からはこんなお願いをされた。
「聖女様、家にここには来られない寝たきりのじいじがいるのです。お助けいただけないでしょうか」
もちろん快諾して場所をアーナに記録してもらったわ。
ーーー
広場の全員、と言っても100人少しの小さな村。
その村人がほとんどが来ていたけど、それほど時間をかけずに治癒できた。
次は寝たきりなどで広場に来られなかった人たちを見て回ることにする。
今回は旦那様とダートウェル、コーネルの3人について来てもらう。
ダートウェルは久しぶりに私と一緒で喜んでいる。
「ローザ様、最近コルが俺の場所取っちゃて。たまには呼んでくださいっす」
「はいはい」
私はダートウェルの頭を撫でた。
「ローザ様、旦那様とのこともあって余裕っすね。とてもいいことっすよ」
村長さんが私に声をかけてくれた。
「聖女様、少し休まれては?」
「ふふふ、平気よ、まだほとんど魔力は使っていないわ」
「はあ、もう聖女様は凄すぎて、いちいち驚くのも馬鹿馬鹿しくなってきました」
「あははははは、村長、俺もだ」
旦那様、さっきから村長さんと仲良すぎです。
ーーー
「なるほど、左足を失っているのですね。やれるだけやってみましょう」
前世の物語では聖魔法で体の欠損まで治す様子が描かれていた。
この世界、現実なのか物語なのか時々わからなくなる。
だからこそ、もしかしたら私もできるかもしれない。
私は両手を合わせ今までより大きく、長く、強く魔力を高める。
そして
「万能治癒」
じいじの体全体が光に包まれ、傷や怪我といったものが目に見えて消えていく。
しかし
やはり左足の欠損は全く復活しなかった。
「これは無理ですね」
「いや、聖女様、身体中の痛みが、傷が、息苦しさが全てなくなりました。足は残念ですがそれでも痛みが完全になくなっています。これ以上望むのは罰当たりです。ありがとうございました」
「いえ、悔しいけれどここまでです。ごめんなさい」
でも、涙を流して喜んでくれた。
「ほんと凄かったすよ。自信持ってくださいっす」
うん、ダートウェルありがと。でも私、もっと修行しないといけないわ。




