第46話 宰相への頼み事と新たな憂い
宰相の娘さん、ケイトは幼く感じていたけどもう13歳だったそうだ。
ずっと寝込んで、食事もあまりできずで痩せ細り、背もあまり高くなっていない。
そんなケイトの治療をして1週間後、宰相様が訪問したいと言ってきた。
特に断る理由もないので了解すると、あまり時間を空けずに尋ねてきた。
「えーと、これはなんでしょうか?」
「はい、王国の食糧事情改善のための投資でございます、ローザフラウ様」
「困ります。全てお持ち帰りください」
宰相様が玄関前に大量の箱を積み上げた。
中身はムーギの種もみ。欲しい、欲しいけどダメ。
「私はこれから王国民全員の治癒を目指しています。できるかはわかりませんが。宰相様からこれを受け取ったら治療するたびにお礼が必要との前例になってしまいます」
「さすがローザフラウ様。はいはい、そうおっしゃると思っておりましたよ。ですので娘のお礼ではありません。これは投資です。将来倍にして返していただきます」
宰相様が「あっ」という感じでこちらを見る。
「これは投資ですので、投資先が損をしたら返ってこない。これも覚悟の上です。投資ですからね」
旦那様を見る。
「宰相、ありがたく預かろう。ローザが必ず増やして返すだろう」
(えー)
「ところで、ルイード侯爵、ケイト嬢の調子はどうだ」
「はい、最近はよく食べ、少し肉がついてきました。顔もふっくらしてきてかわいいのですよ」
お父さんお顔になってる。素敵ね。
「本当に良かったわ。でも、もし少しでも不調になったらすぐに教えて、いいですか、躊躇は要りません」
「はい、わかりました。ローザフラウ様のおっしゃることはなんでも聞くつもりです。必ずそういたしましょう」
「よろしくね」
「ところでルイード宰相に頼みがある」
旦那様は呼び方を使い分けてるんだ、なんて感心している。
「なんなりと」
「時期を見てになるが、王国内全域の人々をローザと共に治癒して回りたい。その王宮での手続きを頼めないか」
「ええ、良いですよ。私に全てお任せください」
ーーー
「わしらがなんでこんな惨めな生活なんだ。いや原因はわかっている。ローザだ、あいつがアーキリムに取り入ったんだ。許さんからな」
「ええあなた、我が娘ながらどうにもなりませんね」




