間話 ニアの尋問
本日2話目です。
第40話の補足的な話ですので読み飛ばし可です。
俺、コルはガンダルク公爵に妹を人質に取られて辺境騎士団を襲うという犯行に及んだ。
でも、反省し、改心した俺をノーブル様、ローザフラウ様は受け入れてくれた。
ニアにも同じような事情がある。
もし悪い奴ではないのなら救ってやりたい。
俺がいわゆる“拷問道具”を持って地下牢に現れた時、鎖に繋がれたニアは力なく座っていた。
俺はわざとよく見えるところにそれらの道具を並べる。
「ニアだな。まずは聞く。ガンダルク公爵に命令され、辺境伯家の情報を流していた、認めるか?」
当然ニアは何も言わないし、反応もしない。
これは想定内だ。
「ニア、ガンダルクに俺と同じように家族を、お前は娘を人質に取られている。どうだ?」
ニアが、驚いて俺を見る。
「なぜそれを? お前、いやあんたは誰だ」
「俺もお前と同じ、ガンダルクに妹を人質に取られ、辺境伯様を襲った。それでも今、辺境伯様の騎士団団員だ」
「はっ? 意味がわからないが、人質はもう救われたということか」
「いや違う。だが、辺境伯様と奥様は必ず救ってくださると言ってくれた。俺は殺されてもおかしくないことをした。なのにこの待遇だ。それに辺境伯様と奥様の力は本当に尋常じゃない。ニア、おそらく公爵は今回負ける。その手助けをしないか?」
「しかし、人質の命の保証はないぞ、もしガンダルク公爵が生き残ったら、マリーの命は…」
「なら聞こう、もしお前がここで話さなかった、その場合、お前がガンダルクに評価されて娘の命が救われると本気で思うか? 今までのあいつのやり方を思い出せ、お前が捕まったことがわかった時点でお前と娘の命はない」
「うぐっ、そうだろうな、ではどうしたらいいというんだ、せめて少しでも可能性が高い、話をしないほうがまだいいのではないか?」
「いや、一番可能性が高いのは、決定的にガンダルクを追い詰め、公爵家を取り潰させることだ。そのためにお前の証言は有効になるはずだ」
「公爵家の取り潰し? それは無理だ。王家との繋がりがあるから公爵だろう。いくらなんでも」
「今の国王陛下は期待できる。もちろん確実ではない、お前のいうとおりだ。しかしそれが一番娘を救える可能性が高い。それでもどうしても言わないというならこの道具を使うが」
拷問道具を見てニアが息を飲む。
「そうか、わ、わかった。私もガンダルクには思うところがある。全て察しの通り、ガンダルクの指示で動いてきたわ。狙いはフローレンスを王太子妃候補にするためにローザフラウ様を殺害すること。それから……通信手段は伝書便よ。あと、一年ほど前にローザフラウ様を襲ったのも、それから……」
ニアは知っていることを全て話してくれた。
「よくわかった。旦那様にはすぐにつたえる。お前が協力的だったとも伝えておくから安心しろ」
ニアは大きく頷いた。




