第40話 ガンダルク公爵家の断罪(中編)
旦那様が小袋から取り出した魔道具のボタンを押した。
すると起動音と共に声が聞こえ始める。
「いいから聞いて、秘密裏にローザを殺して。どんな手を使ってもいいわ」
「しかし今は」
「私に逆らうの? ローザは向こうから攻撃してきたの。仕返しするだけよ問題ないわ」
「……公爵様の命に逆らうことになりますが」
「1年前、ローザが辺境伯領につく前に殺れていればこんなことにならなかったわ。あの時誰が失敗したの?」
魔道具のスイッチを切る。
「……これは一体なんじゃ」
「フローレンス様の声ですな」
陛下に続き、宰相が呆れたようにいう。
「違うわ、私の声じゃない」
フローレンスが必死で否定する。
「魔法分析で間違いなくフローレンス様の声です。王宮魔術部での検査ですので間違いありません。今回だけでなく、辺境伯領に向かう際に盗賊に襲われたのも公爵家の差し金のようですね」
私はガンダルク公爵とフローレンスに視線を向ける。
「こ、こんなもの馬鹿げている。フローレンスいつこのような? いや、罠だ、うちは関係ない」
「公爵、昨日の試客もとらえてあり、証言も得られている。公爵家が辺境伯家に潜入させているニアからの伝書便も全て把握している。ああ、ちなみにニアの証言も得ているぞ」
旦那様がダメを押す。
「そうか。なるほど……。フローレンス、お前が独断でやったのだな。公爵家に恥をかかせおって」
フローレンスが公爵につかみかかる。
「お父様ひどいです、今回はわたくしの独断ですが、盗賊団はお父様ではないですか!」
「黙れ! 申し訳ありません国王陛下、わたくしの監督不行届でバカ娘がこのようなことを」
公爵はフローレンスを振りほどこうとするが、フローレンスは必死に抱きつく。
「いやー!! お父様がどうしても王太子妃になれと言ったのではありませんか。私は命に従っただけで何も悪くありません。ローザのスキルを誤魔化したのもお父様ではありませんか!」
「もう良い」
「フローレンス黙れ、公爵であるこの父に逆らうな」
「いやです。私は何も、何も悪くありません!」
“ドン!”
陛下が目の前の机を拳で強く叩いた。
「もう良いと言っておる」
「「……」」
国王陛下の叱責で2人の興奮した赤い顔が一気に青ざめた。




