第35話 国王陛下との謁見
本日3話目です。
「国王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう」
「まあ挨拶は良い、久しぶりだ。よく来たなローザフラウ」
「お会いできて光栄です」
国王陛下の隣に王妃様と第一王子で王太子ジョージヤン殿下が立っている。
その一段下に宰相のルイード侯爵がいる。
こちら側は私と旦那様だ。
「早速だが話は聞いておろう。王太子の妃、正室候補にもう一度なってくれ」
そこで旦那様、ノーブル・レアブラック辺境伯が軽く挨拶をする。
「ああ、大量のスカイノ鉱を献上したと聞いている。礼を言っておく。ノーブル、まだ結婚していないと聞いているが?」
かなりぞんざいな扱いだ。
「はい、正式にはまだです。討伐を優先しましたので」
「ではまだ婚約は解消してもよかろう」
旦那様が苦々しい顔をした。
「一つお聞きしたいことがございます」
私は陛下に発言の許可を求める。
「うん? なぜまた王太子妃候補に戻すかということか?」
「はい」
「それは当然だろう、多かれ少なかれ王族や貴族の結婚は利害が絡む。王家がお前を必要としたからだ。具体的にはその魔力量、そのスキル、王家以外には渡せん」
「スキルは“清掃”ですが?」
「瘴気を全て薙ぎ払い、これまで不可能と言われた辺境の魔物の全討伐に大きく貢献した。そのスキルでな」
「はい、討伐自体に私は関与していませんが瘴気については認めます。ですが、今後役に立つことや逆に王家の邪魔になることはないと存じます」
「ふむ、確かにそうかも知れん。が、これだけ活躍して有能さが世間に知れ渡った。放ってはおけまい」
「レアブラック辺境伯様は元王族。それで十分ではありませんか?」
「そなたはこのノーブルで良いのか。あまりいい噂は聞かんが」
「はい。私は辺境伯様を愛しております」
旦那様は顔を赤くして俯いた。
「正直に言おう。そなたが辺境にいるのは王家にとって困るのだ。私はこのノーブルを信じていない」
「なるほど。賜りました。では王妃様、王太子様これからよろしくお願いします」
「そうか、よく決心した」
旦那様はそこに倒れ込むようにがっかりしている……演技をした。




