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“忌域”の辺境伯様に嫁がされた私、ハズレスキル「清掃」で荒廃領地と『王国の詰まり』を大掃除!  作者: 積と和〝
第2章 レアブラック辺境伯領の大掃除

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第32話 歓喜

 いよいよ最後の決戦。

 南部平原地帯に魔物が追い詰められ、集まっている。

 私の力では討伐はできない。最後ギリギリまで範囲を狭めて、ノル様をはじめとした攻撃魔法で一気に殲滅する。瘴気がないだけでそこから出ないかはわからない。なので結界魔法の使い手が結界を張っているが、現在直径10kmほどの円内にだけ瘴気を残している。その範囲が広いので結界の強度は弱い。

 ただミルの話では今の時点で逃げ出した魔物はいない。

 周りに公爵家など敵の姿もない。

 絶好のチャンスだと思う。

 魔物の数は数十万かそれ以上。”キング“と名のつく知性派魔物もいる。


 私は入念に清浄魔法の準備を行う。

「ではいきます!」

 空に向かって大きく手を広げた。

「空気清浄化」

 さらに外から瘴気を削り中心部に魔物を追い詰めていく。

 ここ数ヶ月の魔法連発でコントロールは慣れている。

 直径数キロとなってくると魔物の密度が限界になり、魔物同士の争いや、瘴気を無視して外にも出だしている。

「ノル様!」

 ノル様が頷く。

「よし、総攻撃!」


 魔物の外側からノル様の火炎爆弾や団員の人たちの得意魔法、雷電、土塀や土槍、エアカッターなどさまざまな攻撃が一斉に連続的に行われる。

 徐々に中へと攻撃を進めていくが、初めて見る、恐ろしい光景だ。

 煙と土埃、湯気、血しぶき、魔物たちの叫ぶ声。


 そんな永遠に続くかに思われた地獄の光景がやっと終わりに近づいた。

 中心部に遠距離魔法では倒せない、オークキング、キマイラ、マンティコア、ベヒーモスの4体だけが残っている。

 予想より少ないのが気になるが今はいい。

 逃亡しないよう、少し離れたところに巨大な土塀で囲んでいる。

 しかし彼らの実力を考えるとあまり効果は期待できない。

 それよりも瘴気はすでにこの領内から完全に消え去った。

 発生はしているが、私が回った全てで常時清浄がかかっているのでもう空気は汚れない。

 その方が彼らにはキツイはずだ。実際動きは鈍い。


 これまで丘の上から全体を見渡すように戦っていたが、馬で土塀近くに移動、土塀から観察する位置に来た。

 私の周りはコーネル、フェルミナ、エル、ミルで固めているが、コーネルに騎士団の防御を依頼。

 騎士団の攻撃中は、若干防御が弱まる。しかも今回は近距離だ。

 コルも私のそばから離れる気はないと主張した。

「ローザフラウ様の盾になります」


「攻撃」

 ノル様たちがまずはオークキングに集中攻撃。抵抗するオークキングを倒した。

 ここまでは順調だ。

 続けてマンティコアに攻撃を始める。

 そのタイミングを測ったようにベヒーモスがローザを襲う。

 騎士団が攻撃目標を変えて防ごうとしてくれるが間に合わない。

 コルも盾になろうとするがパワーが桁違いだ。

(もうダメ)

 そう思った瞬間、フェルミナが飛び出し、私を命懸けで守ってくれる。

「フェルミナ!」

 ベヒーモスと接触の寸前、フェルミナが巨大化、腕だけでベヒーモスを弾き飛ばす。

(す、すごい! あれがフェルミなの本当の力)

「覚醒したか」

 ノル様が呟く。

 フェンリルの血が、能力が溢れ出している。あれが覚醒。

 フェルミナは素早い動きで追撃、一瞬でベヒーモスを氷漬けにして打ち砕く。

 ついでに、そう、ついでに凍っていたマンティコアも同時に砕けた。


「あとはキマイラだ」

 ノル様が言った時にはもうキマイラも凍っていた。

「は、早い!」

 そして、フェルミナが腕を振るとキマイラは砕けた。


 ーーー


 まだ砂埃が舞っている。

 でも、ついに、そう、ついに終わった。

 あれだけ長年、いつ終わるとも知れなかった魔物討伐がついに。

 それぞれの騎士団が合流して、全員で勝鬨をあげた。

 本当に嬉しそう、ただの笑顔じゃなくて泣き笑い。

 抱き合い、飛び跳ねている輪に私も加わった。

 少し興奮気味に大きな声を出してしまったわ。


 決して全員無傷ではない。

 けれど、あれだけのことを成し遂げ、今日1日の味方の死者がゼロなのは奇跡としか言いようがない。


「ローザ譲、君のおかげだ。ありがとう」

 少し落ち着いたところでノル様が声をかけてくれた。

「いえ、皆さんの努力の成果です。お疲れ様でした。おめでとうございます」

「そう言ってくれるか。しかし、ローザ嬢の協力なくしては決して成し遂げられなかった。それは事実だ」

 ノル様は団員をはじめとした全員に声を張り上げる。

「屋敷に帰ったら盛大に祝宴だ! 急いで帰るぞ!」

「「「おー!!」」」

「我が領地に希望を与えてくれた。感謝する」

「あっ」

 ノル様に抱きしめられました。

 今日はもう嬉しくてみんな興奮してるからきっと勢いです。

 今日だけは仕方ありませんね。

(我が領地?)

『お願い』

お読みいただきありがとうございます。

第2章はこれで終了です。

一旦完結とさせていただきます。


少し時間をいただいて第3章に入っていきたいと思っています。

※追記(↑ 10月3日20時30分から投稿再開予定です)

そろそろ“ざまあ”も入れていきます。

2人の関係も進展します。


皆様にお願いがあります。

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