第27話 瘴気中毒を改善します
領都キャトルレア。
空気清浄以降、日差しが眩しく、住民の協力で街のゴミも減った。
このところ小さな魔獣すら現れていないそうだ。
ただ、まだ病気の人が非常に多く、特に瘴気中毒の人が多い。
「こちらになります」
「はい、急ぎましょう」
私は案内の役人、シュルツさんに連れられて次々と重篤な症状の住民の家を訪問し治療している。
「ローザ嬢、この家に入るのはどうかと思うが?」
「何を言っているのですか!ノル様は外で待っていてもいいですよ!」
今日は初日ということでノル様もついてきているが、なかなか庶民の住宅に入るのに抵抗があるらしい。
私は前世があるから、多少の狭さや汚れは気にならない。
「ああ、ありがとうございます。本当に久しぶりに大きく息ができます。神の使いに違いありません」
「おかあちゃん!」
まだ若いだろうこの女性に誤解を与えてはいけないわね。
「いえ、ただのお掃除お姉さんですよ」
「え、お掃除?」
結局中までついてきたノル様が後ろで微笑んでいる。
「次へ行こう、ローザ譲」
「はい。また体調に変化があったら知事の娘さんカトリーナさんに連絡してね」
そう言って次の目的の家に急ぐ。
ーーー
「次はここですか」
「ローザ譲、本当にここはまずい。これは…」
スラム街に入るだけでも止められたが、この家は私も少し躊躇う。
案内のシュルツさんも申し訳なさそうだ。
「ただの板の囲いではないか。いつ崩れるか、危険過ぎる」
「ノル様、ここに住んでいる人がいるのですよ」
動きやすい騎士服なのでぶつからないよう入っていく。
「この子ですか?」
「はい、聖女様。もうずっとこんな調子でどうしたらいいものか、ゲホッ」
「ではみてみますね」
清浄のスキルを発動していく。
息が落ち着いたがまだ意識は朦朧としているようだ。
「少し様子を見てあげてくださいね。それとお母様も瘴気中毒では?」
「いえ、私は軽いので」
(清浄化)
子供の母親も瘴気を除いておく。
「へ? あ、息がしやすい! 聖女様ありがとうございます」
涙を流して喜んでくれた。
なんか私も嬉しい。嬉しいけれども
「あの、私はただのお掃除お姉さんです」
「え、は?」
「プフッ」
やっぱり中までついてきたノル様が我慢できずに吹き出している。
「さあ、次へ行こう」
ーーー
今日は重篤な症状の人を中心に結構な数を回った。
シュルツさんが心配そうに私に尋ねた。
「ローザフラウ様、今日だけで30件以上、周りにいる人まで手当たり次第、いや丁寧にスキルを発動されていますので100人近い人を治療されました。魔力は大丈夫なのですか」
「治療ではなく、体の中の汚れ掃除ですよ。だから魔力はほぼ使っていません」
「そうなのですか?」
「……ローザ嬢にとっては、ということだな」
ノル様、何かいいました?




