第25話 瘴気中毒をなくしたい
「ローザフラウ様、実は私の12歳の娘も瘴気中毒ですが、なぜお聞きになるのでしょうか?」
レオン知事が不思議そうに聞いてきた。
「完治は保証できませんが症状を軽くできます。そのお嬢さんに試してみますか」
「もしよろしいのであればぜひお願いします。それと……」
「それと?」
「すぐに思いつくだけでもこの近くに重症者がいます」
「ではその2人を今日みてみましょう」
「ただ問題がひとつございまして」
「なにかしら?」
「娘は呼べますが、重症患者は家から出られません。こちらから出向くことになりますので」
「ええ、勿論そのつもりです」
「いやしかし、庶民としては裕福な家ではございますが、どうしたもんか」
「ですから構いません。あ、相手の方がご迷惑かしら」
「そういう訳ではないのです。貴族の方の入るようなところではないのです」
「ふふ、なら大丈夫。‘掃除道具置き’よりは綺麗でしょ?」
「掃除道具置き? まあそれよりは」
「では、まず娘さんを呼んでください」
ーーー
「ではいいですか」
(清掃!)
アーナの子供の時より手応えは少ない。
それでも、
「え、え、お父様、身体がとても軽いです。息をするのが気持ちいい!」
「カトリーナ、そうなのか、いや確かにそんなに大きな声を久しぶりに聞いたな。ローザフラウ様これは奇跡です」
「あ、いえいえ、ただのお掃除ですから。こんな感じで皆さんを少しでも楽にしたいのです。一覧名簿お願いできますか」
「「お任せください」」
「あら?」
2人言ったような。
「ん?」
知事さんも驚いて娘のカトリーナさんを見る。
「ローザフラウ様、お父様、私にお任せください。1人残らず名簿にしてみせます」
「いやカトリーナ、軽症者まではよいぞ。そこまではお手を煩わせられん」
「ではどの程度まで作れば良いですか」
「カトリーナさんの言ったとおり、1人残らずお願いね。なんならこの街全員でもいいわよ」
「ローザ譲、それは無理ではないか」
「まあ、魔力量だけはありますから」
「「「……」」」
ーーー
レオン知事の知っているという重症者の家を馬車で訪れる。
「当日の先ぶれで突然すまないが辺境伯様御一行をお連れした」
「は、はい。なんのおもてなしも出来ませんが、どうぞ中へ」
「本当にお構いなく。お邪魔してごめんなさい。すぐに帰ります。瘴気中毒の患者さんだけみせてください」
ノル様と2人だけで案内される。
息が詰まっていてかなり辛そうなのがわかる。
「大人の男性なのですね」
「はい、当商会の商会長になります」
「では」
(清掃!!)
これはかなりの抵抗がきます。念入りに。
「どうでしょうか」
少し呼吸は楽になったように見える。
「ベッカー商会長、辺境伯夫人のローザフラウ様です。体調はどうですか?」
「辺境伯夫人?」
無理に起きあがろうとしている。
「そのまま横になっていてください。お加減はいかがですか」
「ああ、息ができる。多少違和感はあるが苦しくない。どういうことなのでしょう?」
「はい、身体の中を掃除しておきました」
「掃除、ですか」




