第21話 3人の新たな仲間
「自己紹介をしなさい」
奴隷商の店長に促され、自己紹介を始めた。
「……フェルミナ、です。狼人族で、19歳、です。特技は…剣の扱いが上手いと思う。あと火魔法と氷魔法が少々という感じ」
フェルミナちゃん、可愛い。真っ白な毛に覆われていて、目もクリクリ。でもさすが鍛えてるって感じで筋肉はすごいわ。
「私たちに買われたら、この辺境伯領をいろいろ回ることになると思います。その際の護衛をお願いしたいの。できる?」
「もちろん、ご主人様の命令には従いますよ。でも、あなたみたいな戦闘に向かない人が魔獣や魔物だらけのこの地を回るなんて。私、戦いは自信はあるけど1人では守り切れないかもしれないよ」
「ふふ、そうね。この領内から魔物たちを減らすために回るの。この女性騎士のコーネルも連れていくつもりよ。あと何人か連れて行きたいわ」
「ならお勧めがいます。あ、出しゃばりました」
ガッペルさんが睨んでいる。
私はガッペルさんを静止した。
「いいわ教えて」
まずは同行者を揃えたい。
「あ、ガッペルさん、この子気に入りました。購入予定でお願いします。シーバス、いいかしら?」
「はい、もちろんでございます」
一呼吸おいてシーバスがフェルミナさんに尋ねた。
「ところでフェルミナ、何か望みはあるのか」
「……特には。ああ、お願いがある。私の毛色をバカにするのはやめてほしい。それが望みだ」
「え、白い毛綺麗なのに。誰かにバカにされたの?」
「うん、狼人族の仲間にな。それで売られた」
「はあ?それが奴隷になった理由なの、許せないわ」
「そうか、ありがとう。ところでおすすめの奴隷なんだが、領内を回るなら森も多いんだろう?だったらエルフ族がいいんじゃないか。植物との親和性と検知魔法は役立つと思う」
ガッペルさんも頷く。
「ああ、確かにそれはありますね。こちらも女性がいいですか。双子姉妹なのでどちらでも良いと思います。ご覧になりますか」
「ええ、お願い。フェルミナも連れて行きたいわ。シーバス、購入手続きを先にしましょう」
二度手間にはなるが先にフェルミナの購入と奴隷契約をした。
私とシーバス、コーネル、フェルミナと、ガッペルさんの5人で双子のエルフの元に向かった。
「この2人になります。エルとミルです。ほら2人ともお客さんだ。挨拶をしなさい」
「エルです。こっちが妹のミル。よろしくお願いします」
「2人は何ができるの?」
「はい、私は探索魔法が得意です。周囲数キロくらいなら動植物の種類や数など正確にわかります」
「……」
「ミルちゃんは?」
「妹は人見知りがひどくて。私が話してもいいでしょうか?」
「ええ、おねがい」
「はい、ミルは植物魔法が得意です。木々の気持ちもわかるみたいです。ちなみに植物魔法とは、木の枝などを使って攻撃や防御、物を運ぶなんていうのもできます」
へえ、双子姉妹なのに得意なことが違うのね。
「シーバスさん、どうかしら」
「エルだけいれば支障はないでしょうね。ただ引き離すのは心苦しい。他にはエルフはいないのか」
「今は女はふたりだけです。エルフは数が出ないのでね」
「では2人とも買うか、やめるかの選択ね。私は2人でいいけど」
シーバスさんが少しがっかりしている。
「どうしたの、どちらか気にいらない?」
「いえ、ただ、計算のできるのを1人欲しかったのですが、予算オーバーです」
「あ、あの、ミルは計算得意ですよ」
エルが控えめな声で言った。
「決まりね」
「ありがとうございます。ではお手続きをさせていただきます」
店主のガッペルさんが嬉しそうに言った。




