第16話 ローザの決心
ローザ視点に戻ります
「ノル様、今日もご苦労様。行ってらっしゃいませ」
「昨日の話は今朝シーバスに話してある。あとで聞いてくれ」
ノル団長さんが昨晩のうちに旦那様に連絡をとってくれたそうだ。
伝書便てそんなにすごいの?
結果をシーバスに今朝早くに話をしてくれていた。
それによるとシーバスが一緒に見立てをする条件で奴隷市場に行くことを許してくれた。
とにかく早くしたいとわがままを言ったら、早速明日にも行けるらしい。
実はノル様がすぐ行ける様に準備も指示してくれていたとか。
かっこいいだけじゃなくて本当に気がまわる方だわ。
ノル様が辺境伯様で、つまり私の旦那様だったらとつい思ってしまう。
ーーー
ドンドンドン!
激しくドアがノックされる。
「大変です、騎士団が大量の魔物に囲まれて身動きがとれないそうです。軽傷ですが負傷者も少なからず出ているとのこと」
昨日の話ではノル様は火属性魔法の強力な使い手で魔物は一気に燃やし尽くす、と言っていたのでは?
「何かあったのですか。火魔法が効かない魔物だとか?」
「いえ、魔物が村に近すぎて強力な魔法が打てないそうです。これまでにない数な上に魔法が使えないので1匹1匹剣で倒しているので時間が相当かかるようです」
「では、騎士団の皆さんが危険な目にあっているわけではないのですね」
「はい、命に関わる様なことは。ですが村人に危機が近づいています。すでに被害が出ている可能性もあります」
それはそれで困ったものね。
「それから、瘴気の発生が盛んなため魔物が今後さらに増える可能性が高いです」
「何それ、瘴気と魔物ってそんなに関係が深いの?」
「はい、おそらく瘴気が多いところに魔物は寄ってくると思われます」
ふーん、なるほどね。
「わかったわ。今から私も現場に向かいます。準備してください。大至急よ」
ーーー
「奥様、まさかとは思いますが、現地に行って瘴気を浄化しようと思っていますか?」
出発のために着替えを手伝っているメアリーが心配そうに聞く。
「そうね、領都でのことを考えれば、今回も瘴気を減らせるはずよ。現地で瘴気全てを浄化できるかはやってみないとわからないけど、このままじっとして居られないわ」
「ですが奥様、旦那様の許可なくそのような行動をするのはまずいのでは?」
「ではすぐに旦那様、ノーブル・レアブラック辺境伯様を呼んできて。できないのなら待てません。村の人たちの命が危ないのですよ。責任は私が持ちます。準備をしてください」
「わ、わかりました。アーナすぐにお願い」
「はい、ただいま。あ、実はもうできてます。大至急と言われていましたので」
「いくらなんでも。あなたまさか以前から?」
「いえ、そんなことはない…かな。ただ、奥様は行動的なのでいつでも動けるようにはしていました」
「アーナ、あなた凄いわね。今度お礼するわ。では行きます。あれ、もしかしてその格好アーナも行く気?」
「当然です。専属侍女ですから」
「ダメよ、危ないから」
「意味がわかりません。奥様は安全なのに私は危険なのですか。さあ行きましょう」




