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(第3章開始!)“忌域”の辺境伯様に嫁がされた私、ハズレスキル「清掃」で荒廃領地と『王国の詰まり』を大掃除!  作者: 積と和〝
第2章 レアブラック辺境伯領の大掃除

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第15話 騎士団長の迷い

 領都での空気清浄化は即日で市民に広報された。

 本当は水質も気になるし、瘴気中毒症の治療も行いたい。

 でも今日からは団長のノル様も含め騎士団全員が魔物討伐に出てしまう。

 これも重要な仕事なので仕方がない。

「行ってらっしゃいませ。怪我などないよう気をつけてくださいね」

「ああ、夕食時には間に合わないが夜には戻る。色々相談をしよう」

「はい、ノル様、嬉しいです」

「う、うん、では行ってくる」


 私はノル様が見えなくなるまで手を振った。

 馬上のノル様も何度も振り返ってくれた。



 ーーー


 ここからノル団長(=辺境伯)視点


 魔物討伐の道中


「マッツガイ、ダートウェル、いいもんだなあ、愛する妻の見送りって」

「当然です。団長、早く本当の夫婦になられますように」

「そうっすよ。今はまだ妻じゃないっすよ」

「あー、そうなのだがそれを言うな」

「言いますよ」

「言うっす。手遅れになっても知らないっすからね」

「……すでに手遅れかもな」

「……」

 2人が黙った。

「おい、なんかいってくれ!」

 ローザの笑顔が頭から離れない。


 ーーー


 いつもの場所、いつもの魔物たち。

(またこんなにも発生しやがって!!)

「火炎瀑布!」

「グギャー」

 俺は次々と魔物を焼き払っていく。

「団長、相変わらずすごい威力っす」

「だめだ、まだまだ足りん」

「いやいや、今日はいつもの倍は倒してるっす」

「まだ、こんなんじゃだめだ。早く帰るぞ。次! 火球爆弾!」

 ドッカーン!!

「団長! 火力上げすぎっす、地形が変わってるっす」


「問題ない」

「問題大ありっす」


 俺は早く帰ってローザに…


 ーーー


 今日はさすがに疲れた。


「辺境騎士団、ご帰還です」

 俺は当たり前のように屋敷に入っていく。

 まあ俺の屋敷だから当たり前なのだが。

「お帰りなさい。お疲れ様でした」

 ローザの顔をみて少し疲れが軽くなった気がした。

「ノル様、他の団員さんのようにご自宅に戻らなくていいのですか、奥様は?」

「私は…一応独身だ。旦那様より不在の間の屋敷への滞在が認められている。食後、少し話をしよう」

「はい、承知しました。一応?」

 ローザがちょっと首を傾げた。

(“一応”独身はまずかったか?)



 食事や着替えを済ませ、応接室で待つローザの元に向かう。

 ローザがちょこんと座って待っている。

 ……かわいい。

「かわいい……」

「はい?」

 あ、しまった、声が出ていた。

「いや、あー、今後の相談をしたいと聞いているが」

「はい、お疲れのところ申し訳ありません。本来なら旦那様にお伺いする案件ですが」

「ああ、構わない、気にするな」

「ありがとうございます。私はキャトルレアをはじめ領内の街をまわって領民の役に立ちたいのです。それで護衛を雇いたいと思っています」

「なっ、領民のためというのはわかるが雇った護衛だけ連れて領内を回るのはダメだ、危険すぎる」

「ですが……」

「すまんな、俺がいつもついていければいいのだが」

 本当にそう思う。それでもローザを1人、危険な場所へ行かせるのには抵抗があった。


「ノル様は魔物討伐という大事な仕事があります。それは仕方がないことと承知していますが、領地の人たちの生活をほんの少しでも改善したいのです。まずは瘴気だけでも」

 ローザが真剣な眼差しで俺を見つめる。

 分かっている。ローザが本気な事も、ただの思いつきではない事も。

「まあ気持ちはわかった。しかしなあ」

 俺は腕を組んで考える。

「雇用する護衛の目処はついているのか。かなりしっかりと固める必要があるぞ。それでも心配だが」

(ローザ嬢のことだ、ただ反対しても勝手に動くだろう。どうしたものか……)


「執事長のシーバスに教えてもらって。奴隷市場に行こうと思っています」

「なんだと、シーバスがそんなことを。俺は奴隷の存在自体をよしとしていない。あまり感心せんな」

「ノル様もなんですね。旦那様はその様なお考えと伺いました。でもシーバスは人手不足な中ではやむを得ないこと、高待遇で迎えることで奴隷という立場から生じるデメリットを少しでもなくせば、との考えの様です」

 なるほど、理想論だけでは回らないということか。

「ああ、そうかシーバスらしい考え方だ。だがどうやっていい人材を見分ける?奴隷商店もたくさんあるんだぞ」


「はい、シーバスが案内してくれるそうです。顔が聞くお店もあるそうで」

「わかった。ちょっと考えさせてくれ」

「はい、お願いします」

 ローザは素直に頷いた。


 このあと、俺の魔物討伐武勇伝?を1時間ほど話した。

「そこで火炎魔法を何度も……」

「まあ」

 まるで子供のように目を輝かせ、興味津々で聞いている。

 火炎魔法に興味を持っていてもっと聞きたそうだったが、時間も遅いのでそれぞれ部屋に戻った。

「また今度、か」

 続きの話を聞かせる約束と、ローザの笑顔が頭から離れない。

 疲れているのに眠れない夜だった。


 次の日、俺は討伐出発前にシーバスを呼んで話をした。

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