幕間 それぞれの闇
ローザフラウ9歳の時
「お父様、ローザフラウをなんとかしてくださいまし。このままでは王太子妃の座をあの女に取られてしまいます」
「おお、よしよし、わかっておる、安心しろフローレンス。我がガンダルク公爵家の力でなんとかしてやる。ジョージヤンを王太子にしてやったのは私なのだ。国王陛下にも貸しがある。まあ任せておけ」
「さすがお父様です」
「これこれ、ははは、可愛い娘のためだ。当然だろう」
「しかしあの魔力量、王家にも魅力的でしょう。どの様にして?」
「魔力量がいくらあっても魔法属性が良くなければだめだからな。我が公爵家に仕えるものの中にちょうど良い者がおるのだ」
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ローザフラウ11歳の時
「ハーナス侯爵、ローザフラウの処遇について決定した。ローザフラウは辺境伯ノーブル・レアブラックに成人となり次第嫁がせることとする。異論は認めん」
「なっ…ははっ。しかし陛下、魔力も豊富で王家の役にも立ちましょう。”忌域“に追放ということは、我が娘が何かしでかしましたでしょうか」
「追放ではないぞ、我が甥の辺境伯に嫁げと言っておる。まあ、実際にはあの様な地のあの様なものに嫁がせるのだ。不満はあろう」
「いえ、そういうわけでは」
「ふむ。ここから先は決して他言無用、よいか。あの娘は魔力が多すぎる。まだ成人もしていない今、おそらく我が王家を凌いでいる。しかしあのスキルでは王家には嫁入りさせられん。つまり邪魔なのだ」
「……なるほど。しかし王太子殿下と辺境伯閣下の関係を考えますとよろしいのですか。いくらスキルがあれであっても」
「そこは生活魔法、それも『清掃』だからのう。大したことはできまい」
「はは。ではその様に。娘の扱いはすでに物置行きにしておりますがより厳しくいたします。辺境に行きたくなる様に」
「それで良い、さがれ」
(ちっ、王家にまで目をつけられるとは。本当に邪魔な娘だ)




