第13話 領都へ
昨日に引き続き、今日も朝早く起きて準備を進めている。でも、昨日と違うのは期待感に満ちていること。
領都の人たちに少しでも早く綺麗な空気の中で過ごしてもらいたい。
それにあの恩人でかっこいい、団長さんと一緒、名前はノル様と言うらしい。もちろんアーナとコーネルも同行する。あと、団員のダートウェルさんで総勢5人。
私はこれでも多いと思うけど、通常はもっと大勢で行くらしい。
団員の休息と経費節減、やはり普段から魔物狩りばかりで財政は苦しい。
それにノル様が強いので本当はノル様だけでも十分なんですって。
「その格好も良いな。うん」
ノル様が私を褒めてくれた。
(ノル様こそ普段着もかっこいいですよ)
「動きやすい服装をお願いしました。女性騎士の服装だそうで、コーネルと一緒です」
「そうか、細いローザ嬢には少し大きいか? まあなんとか大丈夫そうだな、よし出発しよう」
領都までは屋敷から馬車で5分程移動する必要がある。
王都のように王宮と街が一体という感じではない。
「あの、ノル様。昨日は大変失礼しました。今日帰ったらぜひ討伐の武勇伝聞かせてください」
「ローザ嬢、そんなに無理をしなくていいぞ。まずは領都キャトルレアの清浄に集中しよう。討伐は武勇伝というほどではないが興味があるなら聞かせよう」
「はい、お願いします。キャトルレアという街なのですね。それと、安心していただいた宝石を身につけることができます」
「あれはエメライトという石だ。この領地の特産品なんだ」
「とても素敵です。本当にありがとうございました。いつか行われる式にもつけたいと思います」
「そうか、旦那様も嬉しいだろう。式?あ、結婚式か」
ノル様俯いてしまった。
やはりあまり旦那様は乗り気ではないのですね。王命で押し付けられたのだから当然よね。
プレゼントをもらってつい浮かれてしまったわ。
「申し訳ありません。結婚式は望んでいませんから」
ノル様が慌てて顔を上げた。
「ローザ嬢は式はしたくないのか」
「はい」
(財政も苦しく、私なんかのために申し訳ありませんから)
「そうなのか……」
(やはり嫌われているのだな)
ーーー
別の馬車ーアーナとダートウェル
「アーナ殿、ローザフラウ様は旦那様をどう思われているのですか」
「命の恩人とか関係なく団長さんとして大好きだと思いますよ。旦那様のお気持ちはどうなのですか」
「かなりメロメロっすね。基本女性には話しかけられても無視っすから。それがことあるごとにローザ、ローザって」
「なのになんでああなんでしょう。いつちゃんと話されるんです?」
「わからないっす。俺も不思議っす。最初はわざと長引かせてるのかと思ったっすけど、ただのヘタレっす」
「ヘタ……?」
ーーー
領都キャトルレア。
「キャトルレア到着です」
馬で護衛をしていたコーネルが知らせてくれた。
窓から様子を伺う。
王都と比べるべくもないが……
正直かなり寂れている。人口は1万人弱と聞いていたがそれすら感じられないほど活気がなく、街も薄汚れている。
「ノル様、街に元気がありません。どうしたのでしょう」
「ああ、そう見えるか。いつもこんな感じだ。魔物の襲撃に怯え、瘴気が濃い時にはそもども外に出られない」
「これはいけません。広い街ですから徐々に清浄魔法をかけていきますが、常時発動が必要でしょうね」




