第11話 屋敷での楽しいひととき
辺境伯邸の使用人の間で、庭でランチを食べるのが今ブームらしい。
なんでも以前はどうしても外に出なければならない時以外は屋敷から出ないのが普通だったそうだ。
けれど決して屋敷の中が好きなわけではない。
以前は屋敷の中も瘴気は同様にあった。
ただ、外の方が瘴気の濃度の変化が大きくひどい時は急激な変化に耐えられず気を失うこともあるそうだ。
領主邸の常時空気浄化を始めて2週間、だいぶ庭に出ても空気が美味しくなっていて、使用人の人たちの評判もいい。
今のブームはそれが理由だと言うから嬉しかった。
調子に乗って水の常時浄化もしている。こっちの方はあまり効果がないのかも。一度も話題に上らない。
私も庭に出てメアリーとアーナ、特別にアーナの子供リアル君の4人でランチをとった。
「美味しいです奥様、空気も美味しいですが、この肉サンド、なんですかこのソースは!」
メアリーが聞いてきた。
「うふふ、それは異世界もの定番のひとつケチャップよ」
前世でなんとなく料理紹介サイトを見ながら作った経験が活かせた。
「いせかいもの?よく分かりませんが、このお水も今までと違いません?」
「アーナはさすがね。実は3人で井戸水を浄化して以来ずっと水を浄化しているのだけど誰も気づいてくれなくて」
「気づ※ていると思&€ふけど?たぶん直接言&$いらけでしょう」
肉サンド食べながらではよく聞き取れないわ、アーナ。
「ところでアーナ、リアル君の調子はいいの?」
「はひ…はい、そりゃもう、生まれてこの方で一番調子がいいと思います。ゲホッ。屋敷内の空気がいいので悪化する要因がないのです」
「そうなの?アーナとは食べ終わってから話をしましょうか」
リアル君が目をキラキラさせて肉サンドを食べている。
「これ、美味しいね」
「ああ、うん、確かに元気だわ」
みんなで笑った。
久しぶりに楽しい時間を過ごせたわ。
ーーー
メアリーとアーナの2人に領都全体の空気浄化をしたいと相談したが、旦那様が戻るまで止められている。治安がいいとは言え街に出るのは危険が伴う、特に街にも時々魔獣が入り込むこともあるらしい。
魔力の使いすぎで私が体調を崩してしまうのを気にしてくれているのでそこはよく説明しておこう。




