第10話 騎士団長のプレゼント
今朝起きたら騎士団長さんからのプレゼントが届いていた。
アーナが朝一番で渡してくれたのだけど、アーナはなぜか不満顔なのよねえ。
すごく綺麗な薄緑色の宝石でネックレスにも髪飾りにもできる手の込んだ意匠だ。
「アーナも頑張ってるんだから欲しかったわよね」
「へ? いえ、欲しくないと言えば嘘になりますが…奥様の瞳の色に合わせて贈るってせっかく素敵なのに、なんで旦那様は£&※$」
「? もう出発しちゃったのね、お礼も言えていないわ」
「あ、それは仕方ないのです。補給で一時帰宅されただけです。もうすぐ正式に帰還される予定ですが予想より魔獣が多いそうで。お礼はその時にでも。私が言いたいのはなんで騎士団長名で渡すのか、ってことです。意味わかりません」
「アーナも大変ねえ。でも確かに辺境伯様の妻になる予定の私にプレゼントはまずいわよね」
「はあ、私はどうすれば……」
「ふふ、アーナは気にしなくていいわよ」
「はあ…」
ーーー
ノーブル・レアブラック視点
この領地は瘴気は酷いが、資源は豊富だ。特に宝石や鉱石の類はかなり豊富に産出する。
ただ、宝石や鉱石なども瘴気に侵食されたものが多く、品質の良いものは少ない。
今回遠征した地に妻となるローザの瞳の色と同じ薄緑の特上級の宝石があったのでプレゼントにした。
ただ一点、大きなミスをした。
「団長、なんで騎士団長名でプレゼントするんですか?」
ダートウェルに言われるまで気が付かなかった。
「確かに失敗だったな。いくら嫌われていても辺境伯として名前を出すべきだったか?」
「嫌われている? よく知りませんがそれなら余計に名前を出すべきでしたね」
「お前、ローザが嫌いじゃないのか?」
「ええ、嫌いでしたよ、以前は。屋敷から聞こえてくる話を聞いていて“本当か?”って思ってましたけど一時帰還した時のあの空気の良さは本当でしたよ。水も美味いし。信じざるを得ないでしょ」
「そうかそれは良かったな」
「俺、団長と違って間違いはすぐ認めて反省するタイプなんで」
「なんだそれは。ああ、せめてローザが喜んでくれれば良いのだがな」
「団長、ラブラブっすね」
「お前、そういう軽口が言えたのか」
まさかこのプレゼントが2人の関係をさらに拗らせる原因になろうとは……




