↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイクギア ー荒野を駆ける巨大な蒸気工房ー  作者: すのもとまさお
第7章 王都とクロノスとベルゼの罪

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
90/92

第90話 ベルゼ?



-王都ルティユシア付近-



「ちょっと!!話が違うじゃない!!」

「騎士が…なんで!?」


ガラクタ丸は騎士たちに包囲されていた。


「人間と魔族、いるのは分かっている!」

「大人しく投降しろ!」


外の騎士が叫んでいる。


「………」

ラグネスはガラクタ丸の窓から騎士たちを見回す。

騎士、騎士、騎士………


どこを見ても騎士たちが立ちふさがっていた。




「…………この人数じゃ、私でも無理ね…」

「そんな!何か方法があるはずよ!!」


「抵抗しても無駄死にするだけよ………そこでエリーネちゃん」


「な、何よ………」

「私の事、突き出してくれない?」

「………え?」


「この人数を相手にするのは無理」

「抵抗したら殺される」

「なら、人間のあんたが魔族を突き出せば、少なくともエリーネちゃんは殺されないわ」


「………そんな………」


「………人間…貴様が魔族を突き出せば、見逃してやる」


「………あいつらも同じことを言ってるわ」

「何言ってるのよ!!そんなの出来るわけないじゃない!!」

涙目で訴えるエリーネ。


「エリーネちゃん。あんたの仕事はベルゼちゃんとイリアちゃんを迎えてあげる事」

「そうじゃない?」


「……っ!!」

「……ふふ。大丈夫よ」

「…あんたの無事が確認出来たら、大暴れして何人か道連れにしてやるわ」

腕を鳴らすラグネス。



「エリーネちゃん」

「………なによ?」

「お願いがあるの」

「………お願い?」


「少し話したけど、私にはシャロンって娘がいるの」

「その子もあんたと同じで技術屋をやってるわ」

「だから、もし会うことがあったら友達になってくれない?」

「…………きっと、仲良くなれるわ」

「………………」


「………人間……魔族を突き出せ。そうすれば命だけは助けてやる」


「全く………せっかちさんね、向こうは………」

ため息をつくラグネス。


「さ、行くわよ。名演技、見せて頂戴」

「…………ベルゼちゃんとイリアちゃんによろしくね…」

(シャロン…………ごめんなさいね…………)



ラグネスがドアを開けようとした瞬間だった。


ドンッ!!


「!!??」

ラグネスが驚く。

見るとエリーネが拳を運転台に叩きつけていた。

俯いているため、表情は見えない。

しかし、台に叩きつけた拳は小刻みに震えている。



「…………ざけんな………どいつもこいつも好き勝手言いやがって……………」

低く、静かな声。

しかし、その声には怒りが滲んでいた。


「………え?え、エリーネちゃん?」

ラグネスの額に汗が流れる。


「ワタシはね…………」

「あの子たちが帰ってきたら…………」

「おかえりって言ってあげなきゃならないのよ…………」

「不安と恐怖でいっぱいのあの子たちを………」

「安心させなきゃいけないの…………」


「それなのに…………」


「アリみたいに群がってきやがって……」



「挙句の果てには」





「…………魔族を差し出せ?」




ドンッ!!


「ふざけんなあああああああ!!」

「そもそもあんた達がイリアを攫わなければねぇ!!」

「こんなことにはなってないのよ!!!」


「それなのに何上から目線で命令してんのよ!!何様!!?」


「…………邪魔なのよ」

エリーネは再びハンドルを握る。



「………ワタシは迎えに行かなきゃいけないの…………」


ぎゅう…………

ハンドルを握るエリーネの手に力がこもる。


「……………あの子たちを!!」


ブシュウウウウウウウウウウウウウ!!

シュ……シュシュシュシュシュ!!!




「そこをどきなさい!!」



「じゃないと!!」



「ぶっ壊す!!!」



ガラクタ丸が地響きを立てて動き出す。




-王都ルティユシア 城下町-


「いたか!?」

「いや、まだだ」


「探せ!逃がすな!」


「……………行ったみたい」

イリアは物陰から飛び出す。


「ベルゼ!がんばって!」


(今が夜で良かった……!)


ベルゼは自力で立つことも出来なくなった。

傷が深く、血も流れている。

今はイリアが背負って駆け抜けている。


「だい…じょ………だ…」

「ね…りゃ…なお…る…」


「そんな傷で意地張らないの!」

「絶対に助けるから!」


「…そ…と…に…」

「が…ら…く……ま」

「えり…ね…と…らぐ…ね…が…」


「分かった!それまで頑張って!」

イリアは街の外へ駆け出す。


「…………」

「…………」


「イ………イア………」


「なに?」


「もど…たあ…ど……する?」


「…………そうだね」

「まずは皆に謝らないとね」

イリアはベルゼを背負いなおし、足を速める。


「………はは」

かすかに口元が緩む。


「エリーネとラグネスさん、それにイリスちゃんにもね」


「あとはエリーネと仕事を手伝って、昼間はイリスちゃんや皆と遊ぶの」


「ベルゼもたまに一緒に遊ぼうよ!」


「工房が好きなのは分かるけどさ」

「……あぁ」


「それでまた、いつもの旅の日常に戻ってさ」


「ベルゼとエリーネが修理して、アタシが魔法で部品を加工して」


「お客さんの笑顔、また見たいな」

「……」


「そうだ!エリーネは頑張り屋だから、最後はちゃんと褒めてあげてよね!」


「あの子、意外と落ち込みやすいからね」


「慰めるの、けっこう大変なんだよ?」

「…」


「それで、直ったら皆でありがとうって言って」


「その後はリビングで皆と話したい!」

「‥」

「エリーネの機械話やベルゼのくだらない話」


「アタシが楽しかったこと」


「そんな毎日をずっと過ごしたい」




「ねえ?ベルゼはどうしたい?」













「ベルゼ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。