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ブレイクギア ー動く工房の破壊整備士と創造の魔族少女ー  作者: すのもとまさお


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30/52

第30話 …もう離れんなよ

-ガラクタ丸 リビング-


「お兄ちゃんおかえりー」

「おう。ただいま」

少女の頭を撫でる。


「へへへ」

「飯は食ったか?」

「まだ!お腹減っちゃった」

「ん。ならちょっと待ってな」

ベルゼはそう言って、キッチンへ向かう。


「何か食いたいもんあるか?」

「んー…オムライス!」

「あいよ。大人しく待ってな」

「はーい!」


キッチンで料理を始める。

少女はリビングで待っている。


「オッムライスー♪オッムライスー♪」

「イリスはオムライス好きなのか?」

「うん!お兄ちゃんのオムライス大好きだよ!」

「そか。もうちょっとだからなー」

「はーい」


オムライスができ、二つ分持ってくる。


「へい!おまち!」

「わー!!おいしそう!」

「描いてほしいもんあるか?」

「んっとねー!じゃあ、お姉ちゃん!」

「…ハードル高えな」


何とかイリア(のような絵)を描き終える。


「「いただきます」」


二人はオムライスを食べ始める。


(他人の子…しかも数日とはいえ、こんな生活するとはな…)



―数時間後-


「すぅーすぅー」

食事のあと、眠ってしまった。


「…今日もはしゃいでたんかな…」

ベルゼは客室にイリスを連れて、ベッドへ寝かせた。


「ふぅ…」


にしても…

シャロンがあんなこと言うなんてな…


正直、腕はかなり良い。

うちに来りゃ即戦力だ。


だが――

あいつ、少し俺に寄りすぎだな…



腕はあるんだ。

この街に残ったって十分やっていける。


…自信、持ってくれりゃいいんだが


そんなことを考えている途中だった。


「わあああああああああああ!!」

「!!イリス!!」


急いで客室に向かった。


そこには父親に抱きついているイリス。


その頭を優しく撫でている父親がいた。


「ようやくか…」


その光景を静かに見守る。


-数分後-


「そうですか…2日間…寝てたなんて…」

「ああ、まだどこか痛むか?」

「いえ…今のところは…」

魔族との戦いに巻き込まれた父親が起きた。


話している限り、声もハッキリしている。

多分、もう大丈夫だろう。

元々命に別条はないって話だったが、これで一安心だ。


「お父さん…もうどこも痛くない??」

「大丈夫だよイリス。ごめんね心配かけたね」

「うええええええん!おとおおおさああああん!!」

さっきからこの調子だ。

ま、イリアには帰って来てから伝えりゃいいだろ。


「とりあえず、明日ちゃんと見てもらうから、今日は休んでてくれ」

部屋から出ようとした時だった。


「ま、待ってください!」

「ん?」

振り向いた時だった。


父親が頭を下げていた。

「あんたたちのことを魔族だと言って、否定したこと」

「蒸気車を直してくれたのに金も払わなかったこと」

「…本当にすみませんでした!」

深々と頭を下げていた。


「別にいいよ」

「だけど、ここまでしてくれたのに、僕は…」

「まずは体の調子を戻してくれ」

「!!?」

父親は思わず顔を上げた。


「それに、礼なら連れに言ってくれ」

「あいつが一番心配してたんだ」

「あの女の子が…」

「今はいねえから、明日にでも頼むわ」

「…はい」

「イリス」

ベルゼが声をかける。


「ぐす…なに‥?」

「良かったな」

「う…う˝ん˝っ!」

「今日は娘さんに付いててやりな」

「…そうします」


「…もう離れんなよ」

聞こえないようぼそっと言って、部屋を出る。



「あいつ、どんな顔すっかな…」

そんなことを考えながら、ベルゼは部屋を後にした。



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