第18話 俺たちが出来る事はなんだ?
-門の前-
「止まれ」
騎士の合図とともに1台の蒸気車が止まる。
「な、なにか?」
「現在、魔族がこの街に潜入している。その間は誰であろうと調べさせてもらっている」
「待ってください!ケガ人がいるんです!」
「ここの病院ではダメなのか?」
「こことは違う病院へ向かわないとダメなんです!そうお医者さんに言われました!」
「…」
ジロリと車内を窓から見つめる。
「中を確認するぞ」
「!!?」
騎士は有無を言わさず、扉を開ける。
後部座席の布を見つめていた。
「これは?」
「けが人です!丁寧にお願いします」
「…」
バッ!
無理やり布を剥がす。
一瞬――
空気が止まる。
そこには--
重傷者がいた。
「!!?」
「だから言ったでしょう!早く向かわないと!」
「う、うむ。すまなかった」
蒸気車は門の外へ出ていった。
「…あの重傷者…」
「どこかで…」
騎士がポツリとつぶやく。
-街の外-
「いくぞ」
「うん」
門の騎士たちは、別の車両に注意を向けている。
「魔族の人…大丈夫かな…」
「今から病院に向かえば、たぶんな」
「それにあの人たちも…」
「…」
もし…バレたら…
「本当に良かったのかな…これで」
「…あいつらは」
「え?」
「覚悟を持ってやったことだ」
「俺たちに出来るのは、それに応える事だけだ」
「…」
でも…
「イリア」
「なに?」
「俺たちが出来る事はなんだ?」
「…」
出来る事…
「無事に…脱出する事」
「ああ」
「でも…」
言いかけた時。
「それさえ出来りゃ」
「あとは助けるなり何なり出来る」
「!!」
「だから、まずは自分の事を考えろ」
「…うん!」
ガラクタ丸まで急ぐ。
街から少し遠い所に止めたから無事であるはず。
そう思っていたが…
-ガラクタ丸周辺-
「そら、あんな馬鹿でけえのがあったら警戒するわな」
周囲には騎士。
調べているため、中に入ることは出来ない。
「さて、どう切り抜けるか…」
周囲を見渡す。
騎士は3人。
「お前、魔法は?」
イリアは魔力を込める。
…魔力の流れを感じる。
「…いけるみたい」
「よし。じゃあぶっとばすか」
しかも3人ともただの騎士だ。
…問題ねえ。
ベルゼはギアへ圧を送り込む。
ドォンッ!!
遠くの方から何かの爆発音が聞こえた。
「な、なんだ!!?」
騎士たちも気付く。
「まさか、魔族か!?」
騎士たちはその方向へ。
「今のうちだ。いくぞ」
「…ベルゼ」
「…どした?」
イリアが青い顔をしている。
「…あの方向…」
「あの人たちが…」
「!?」
「…中に急げ」
「…うん!」
ブシュウウウウ!!
ガラクタ丸が唸りを上げる。
一気に加速した。




