リヴァイアス家を目指して3
”お前だけでも、ここから逃がす”
レイの兄であるユニスが妹に贈ったペンダントだ。
境界結晶を使ったそのペンダントの力で、レイは俺達の世界へと逃れる事が出来た。
でも、何故今それを……
「――まだ少し力が残ってる。」
「どうしたんだ?」
「な、なんでもない!」
「ふーん。」
そう言うと、レイはそのペンダントを身に着けた。
「どう?」
「どうって?」
「――この鈍感男。」
今ぼそっと酷い事を言われた気がする。
「ん、銀華さんと黒翼さんがいないな。」
トイレか何かだろうか?
少し気になるな。
「少し探しにいってくるから、鈴華ちゃんをお願い出来るか?」
「任せておけ、私を誰だと思ってる。」
「流石は天才魔法使いだ、当てにしてるよ。」
俺は得物の感触を確かめ立ち上がる。
動く気配は感じなかった。
でも、そこまで遠くに行く事はないだろう。
テントの裏側にある林の中に足を踏み入れる。
考えられるのはこの近辺くらいだが――
「何故、ここに戻って来た。」
「それは私の勝手だろ、お前に関係ない。」
話声が聞こえる。
どうやら銀華さんと黒翼さんのようだ。
しかし、雰囲気的に出て行けるような状態じゃないのは分かる。
「お前はあの時の傷で!」
「あぁ分かっている、次に龍の姿に戻れば死ぬだろうな。」
死ぬ? 銀華さんが?
「分かっていて何故!」
「あの子達には借りがある、それを返すためだ。」
「それは、お前が命を削る程大事な事なのか?」
「宗月を殺す手伝いをしてくれた、理由はそれで充分だ。」
「――そうか。 仇を討てたんだな。」
黒翼さんも宗月を知っている?
一体この二人はどんな関係なのだろうか。




