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《Aeterna・Memoria》アエテルナ・メモリア 改訂版  作者: 黄金餅
外典 謀れや兎、その毛並みは白くとも
7/11

兎は何処

うっし、それじゃあ本格的に兎探しをするとしますか。

しらみつぶしに探すのは流石に骨が折れる。ということで俺が思い立った名案を実行することとする。


それ即ち……盗賊になること。





……





ということでやってきたのは盗賊ギルド。転職・就職する方法は色々とあるのだが、今回はギルドでの就職とする(攻略サイト情報)(自分じゃ何も知らないしなんなら他のギルドの場所とか決まりとかそういうの分からない)(なんで盗賊ギルドこんな分かりにくい場所にあるんだよ)(つか剣士ギルドも行った方がいいんじゃね?)(やっぱ面倒臭いしいいや)


「あー、すいませーん、盗賊ギルドに加入したいんですけど」


「はい、承りました。ではこちらの内容を読んだ上でサインを」


「はい」


えーと、なるほど?

内容を要約すれば、

「盗賊ギルドに所属した時点で職業が盗賊になり、悪事を働くごとに懸賞金がかけられるようになるよ。あくまで盗賊ギルドは盗賊になるための媒体、依頼の案内を行うだけであってもし登録者が盗賊稼業を行いそのせいで公的な組織に捕まえられそうになるなどの事が起こっても擁護は一切しないよ。懸賞金に応じて受けられる依頼は異なるよ。懸賞金額が一定以上になると上位職になれるよ」だろうか。まあ他にも色々とあるがこの程度でいいだろう。


じゃあサインでルアン、と。おおすげぇ、自分では意識してないけど手が勝手にすごい綺麗な字を書いてくれる。


「次にこちらに、現在の職業、レベル、所属ギルド、所属クランのご記入をお願いします」


「えーと」


剣豪、50、なし、なし、と。


「それではこちらで登録いたします。少しお待ちください」


そう言われしばらく待機していると、ギルド証なるものを渡された。


「ルアン様は懸賞金0ディルからのスタートとなりますので」


「分っかりましたー」


『ニュージョブ!サブジョブが「盗賊」になりました!』


『スキル「盗みの勘(スティール・ハンチ)」を獲得しました!』


『スキル「隠密の心得」を獲得しました!』


『スキル「擬似隠密」を獲得しました!』


『現在の懸賞金額:0ディル』


よーし、それじゃあ捜索スタート……ではなく、最後にもう一度調べておきたいことがある。なので一旦ログアウト。


あっすいませんここ仮眠室あります?ある?じゃあ使わせてもらってもいいですか?ありがとうございますー。



◇◇◇



調べること、というのはその兎がどんな生態をしているのかについて。一応穴兎っぽいらしいからそれだと仮定して調べてみることにする。


「へえ、そうなんだ」


なんでも兎は薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)という性質を持っているらしく、完全な夜行性ではなく朝方や夕方に最も活動が活発になるんだとか。

あっぶねぇ、夜行性ってこと知らなかったら真っ昼間に探すところだった。でもポルタの森じゃあ普通にいたし……まあ最初の森に薄明薄暮性なんて持ち込んだらあれだな、その辺りも調整されていたのかもしれない。

また、アナウサギは地下にウォーレンと呼ばれる巨大な巣を作るそう。さらに高度な社会性を持っていて、明確な序列があるらしい。


「まあ要するに夕方から朝まで探すかウォーレンを見つければ良い訳だ」


さらにいえば、序列が高いやつの方がウォーレンの中心部に近いところにいるのだから、ウォーレンを見つけて深くまで潜っていけばいい。

なるほど、草原に巣があって、そこから狩りに出かけた時にちょうどプレイヤーと出くわして仕方なく倒したってところだろう。

そうと分かればあとは簡単だ、気乗りはしないけどウォーレンを探せばいい。そして、夕方・朝方に他の兎たちが狩りに行っている間に奥まで潜ってユニオンに喧嘩を売ればいい。一緒に出かけられると困るが。



◇◇◇


「〈盗みの勘(スティール・ハンチ)〉!」


先ほど獲得したスキルを使用する。このスキルは指定した一帯に存在する指定した一定以上ののディルに相当し、さらに正当なルートで……めんどい、金になるものがありそうな場所を大まかに教えてくれるスキルだ。


そのスキルを発動した瞬間、俺の周囲に放射線状に光が広がっていき、光が見えなくなったところで……遠くの大木のあたりが金色に光る。


「なるほど、あのあたりか」


そう言って近づいていくと、先ほど遠くから見た時には気づかなかったがかなりの範囲が金色に光っていることがわかる。


「まだここに絞れただけでマシかなぁ……」


この範囲を探すと思うと……まあ文句を言っても仕方がない、ユニオンと戦おうとしているのは俺なんだから。


探すのは直径10〜15センチくらいの穴。ここからは気合と根性で乗り切る!!




……




「気合と根性でなんとかなったらスキルなんていらねぇんだよ」


そして俺はスキルを必要とする、つまり俺は見つけられなかったんだなクソが。



よーし、こうなったらあの技を使うしかない。そのためにはちょっと準備が必要だ。
























「うおおおおおおおおおおお!!」


「「「「「ブモォオオオオオオオオオオオ!!」」」」」


俺がなぜ大量のマッドブルに追われながら爆走しているかだって?考案:俺、実行:俺の素晴らしき作戦を敢行しているからだよ。


マッドブルが突進したあとは草が刈り取られるから、禿げた地面を見れば巣穴の位置は一目瞭然。こんなにも素晴らしい作戦が他にあるだろうか。最後はその辺りにある木か岩に突撃させればドロップ品の山に早変わり!まさに一石二鳥である。スタミナ回復薬の飲みどころミスると死ぬけど。




ブモォオオオオオオオ…ドゴォオオオオオオオン!!




「ありゃ、この大木硬いな。折れなかったし。さあて、どこにクソ兎どもの巣があるかな?」


んーだめだな、全然穴ないや。一旦牛たちが遺していった遺品(ドロップアイテム)を漁るとしよう。


「ん?なんだこの穴」


牛たちの遺品の奥……つまり、大木の幹が根に変わっていくあたりにうろにしてはやけに暗い、というか底が見えないようなところがある。

気になってのぞいてみれば、そこは大木のうろの底が掘られ、奥の方へ少し斜面になりながら続いていた。


「ビンゴ!」


なるほど、木のうろにあったとは。流石にそこまで頭は回らなかったな。


めでたくウォーレンの位置がわかったため、あとはウォーレンに潜入するのみ。それが一番大変なのだが。


準備だけしないとな、今日1日で素材はかなり集まったし、装備の強化は必須だ。










まずは剣の強化だ。


「おっちゃん、この剣強化して欲しいんだけど」


「おう、分かった。素材はなんかあるか?」


「えーと、これと、これと、これかな?」


「おう、それで十分だ。二本の強化でいいんだな?」


「ああ」


「わかった。明日の朝までには仕上げとく」


「よろしく」


よし、次は仕立て屋だ。


「おばちゃん、防具強化できる?」


「できますよ、どの素材で強化しますか?」


「この殺人蜂(キラービー)の素材でできる?」


「はい、それじゃあ明日の朝取りに来てね」


「ありがとう」


最後は道具屋だ。


「お兄さーん。HPポーションとスタミナポーション20個ずつちょうだい」


「下級でいいかい?」


「おう」


「それじゃあお代は2000ディルだよ」


よし、それじゃあ後は明日の朝まで待つのみだ。ああでも、どうせ夕方にならないとダメだし。まあそこは仕方ない、忍耐を持つのも大事だ。

ちなみにですが主人公はとってもラッキー、たまたま宝物庫がそこに移動していたから良かったものの……

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