チュートリアル
「ん、おお」
真っ白になっていた視界が世界の色をはっきりと映し出すと、俺が立っているのは噴水の前。ここがポルタか。ポルタというのは要するに「始まりのまち」とかいうあれだ。
「さぁて、何すっかな」
今から何をしようかと考えているところに、1枚のウィンドウが開く。
『チュートリアルを開始しますか?』
『YES/NO』
「んー、別にこの手のゲームには慣れてるからやらなくても大丈夫だろうけど……まあYES。やっといて損はないだろ」
『了解いたしました』
『チュートリアルを開始します』
『画面に指示が表示されますので従って行動してください』
「まずは……メニューか」
メニューにある項目は、ステータス、フレンド、メッセージ、マップ、そして申し訳程度に添えられたヘルプと設定。まあそれも致し方あるまい、設定で変更できることなどほとんどないし、ヘルプを使うようなことなど大抵は世界観やらなんやらで弾かれるだけだろう。後はゲームを進めればすぐわかることとか。まあ施設の詳細とかがわかるのはいいかもな。
また、ゲーム内に外部から音楽を持ち込むことが可能なゲームもあったりはするのだが、これまた世界観がどうのこうので弾かれてしまう。
つまり自分で頑張ろうねということだ。
次は……
「何々?ステータスの確認をしてみましょう、か」
メニューを経由して開いてもいいが、心の中で「ステータス」と思うだけでもいいらしい。ステータス。うお、本当にでた。
PN:ルアン
Lv:1
JOB:剣士(二刀流) Sub:なし[就職不可]
所持金:5000ディル
HP(体力):10
MP(魔力):10
STM (スタミナ):10
STR(力) :10
VIT (耐久):10
INT(知力):10
MND(精神) :10
DEX (器用):10
AGI (俊敏):10
LUK (幸運):10
称号:無し
スキル:【剣】
スラッシュ 初期スキル 一閃
ピアス 初期スキル 突き
パリィ 初期スキル パリィ
装備:頭:下級剣士の戦闘マスク
胴:下級剣士の戦闘服
腰:下級剣士の戦闘ベルト
脚:下級剣士の戦闘ズボン
足:下級剣士の戦闘靴
アクセサリー:なし
アクセサリー:なし
右:なし
左:なし
「おー、雑魚だ」
今このゲーム内での最高到達レベルは246らしいし。俺もそんな高レベになりたいもんだ。まあ今は夢のまた夢である訳だが。
次はインベントリの確認だ。あら悲しい、何も入っていなかった。
んで、「武器を装備してみましょう」か。あ、革の服はもう装備されているのか。装備装備っと。
「すごいリアルだな」
刃の光沢とか持ち手の質感とか。何もかもが本当にリアル。他にも色々とやってきたけどやっぱりこういうリアリティがあるのもVRの醍醐味だよな。
そのあとは、宿屋とかの施設の確認をした。
宿屋はセーブとリスポーン地点を兼ねていて、鍛冶屋は武器の売買、修理、強化などをしてくれるらしい。
道具屋はポーションだとかの販売、仕立て屋は防具や衣服の販売。
宝石店は主に鉱石系のアクセサリー類の販売、小物屋は道具屋の下位互換+αのような感じで、宝石系以外のアクセサリー類を主に販売している。
技能整理所はスキルの統合・分解をしてくれて、いいところだといらないスキルを取り出して、売っているんだとか。
あとは稽古場、まあスキルとかの練習用の場所だな。一応初歩的な戦闘方法はここで教えてくれるそうだ。
そしてチュートリアルのチュートさん(仮)によると、図書館に寄るのはマストらしい。別にこの町の図書館には寄らなくてもいいのだが、セクセルに行くならば絶対に、と言うことだそうで。
つかチュートリアルにユーモアの機能をつけるってどうなの……?と言うのが全体としての感想。いや最初の方はまともだったけど、だんだん雲行きが怪しくなっていったんだよなぁ。まあ、他にも探せば色々ありそうだが、基本的なのはこんなもんらしい。
『これでチュートリアルを終了します』
『戦闘方法などについては稽古場までお越しください』
『それではようこそ、《Aeterna・Memoria》の世界へ』
最後はなんか真面目だったな。
よし、それじゃあ早速近場でレベリングでもするか。
◇◇◇
俺は今、ポルタの近くにあるポルタの森に来ている。ここで出るモンスターはRPGの定番中の定番、スライム、ゴブリン、ホーンラビット、ヴォーパルバニーだ。
「お、いた」
スライムだ。俺は下級剣士の剣でスライムに切り掛かる。俺の初スキル使用、お前にくれてやるよ。
「〈スラッシュ〉!!」
なんかこう、辺な感触だ。少し抵抗があるけどスッと刃が入っていくような。そのままスライムを真っ二つにすると、スライムは消え、そこにはスライムゼリーだけが残されている。
このゲームでは、モンスターを倒すとそのままアイテムがドロップする方式。昔やってたゲームには、いくつかモンスターから素材を剥ぎ取る方式のものもあったが、やっぱこっちの方が楽でいいや。
ちなみに、ファンタジーでありがちな魔石とかそう言ったものは採用されていない。あくまで、モンスターも普通の生物の一種であると言うことなのだろう。
話を戻して、スライムゼリーというのは全てのスライムから確定でドロップするアイテムで、食べると体力が少し回復する。微々たるものではあるが、レベル1の俺からするとありがたい。なんせ、モンスターのレベルが少し上がるだけで1発1発が致命傷になりかねないのだ。
というか、チュートリアルとかの時にも思ったが再現度が半端ない。
「なんで風の温度が時間と場所によって変わるんだよ…」
頭おかしいと思う。褒め言葉として。俺が走れば土や苔が舞い上がるし、剣を振り抜けば音がする。やはりこのゲーム、他と一線を画すクオリティだ。
それからもスライムをバッタバッタと倒していると、ヴォーパルバニーを見つけた。
「お、初めて見つけた」
まあ発見したのはまだ二種類だけなのだが。そう思いつつも、ヴォーパルバニーに向かっていき、残り数メートルほどまで近づいたところで、一気に加速する。そして、後少しで刃が届く、と言うところでサッと身をかわされた。
「む、なかなかやるじゃないか」
そう言って、もう一度ヴォーパルバニーに攻撃を加える。しかし、またもや躱されてしまう。その後も攻撃を繰り返すが、全然当たらない。挙句の果てに、ヴォーパルバニーが口元に前足を当て、「ぷっ」みたいな感じで俺を嘲笑ってきやがった。それも何回も。
「あ゛?」
はーい、もう俺は怒りました。俺の宇宙のように広い心も限界を迎えましたー。何がなんでもあいつだけは仕留めてやる。ピアス、スラッシュ、ピアス、突き、パリィからのピアス。
「だークソ!全然当たらねえ!」
しかもまた「ぷっ」てやられたし!それでもめげずに攻撃を加えていると、ウィンドウが開き、新しいスキルを獲得したことを告げる。新しいスキルは……クイックピアス、連続で突きを出せるのか。これは良い、連撃ならあのヴォーパルバニーも避けられないだろう。
「死ね!クソ兎!〈クイックピアス〉!!」
俺から放たれる連続の突き。クソ兎は最初こそ回避していたものの、途中で突きが当たり怯みモーションが入る。
「チャーンス!!くたばれ、〈スラッシュ〉!!」
勢いよく振り抜いた剣は見事に当たり、クリティカル攻撃となって一撃でクソ兎を葬った。
「よっしゃあ!!見たかクソ兎!!俺の勝ちだァ!!」
いやあ、素晴らしい達成感だ。下手なゲームをクリアするよりもこっちの方が嬉しいかもしれない。
まあ、たかがヴォーパルバニー如きに何をやっているんだと思わなくもない。
それからもモンスターを倒すのに没頭していると、いつの間にか大分時間が過ぎていた。ステータスポイントを振って、と。まあこんな感じか。
PN:ルアン
Lv:9
JOB:Main:剣士(二刀流) Sub:なし
所持金:5000ディル
HP(体力):20
MP(魔力):10
STM (スタミナ):20
STR(力) :20
VIT (耐久):10
INT(知力):10
MND(精神) :10
DEX (器用):10
AGI (俊敏):20
LUK (幸運):10
称号:無し
スキル:【剣】
スラッシュ
フラッシュスラッシュ 高速の一閃
ピアス
クイックピアス 連続の突き
スパイラルピアス 刃を回転させながらの突き
パリィ
クラッシュパリィ 強めのパリィ
シフトパリィ パリィ後敵の背後に回り込んで攻撃に繋げる
中々のステータスにはなったんじゃ無いだろうか。レベルアップごとにSPが5貰えるから、それを個人的にはバランスよく振っていった感じだ。スキルも中々増えた。フラッシュスラッシュとスパイラルピアス、それとクラッシュパリィはレベルアップ時に入手したもの、シフトパリィは戦闘時にパリィした後さらに後ろに回り込んでから攻撃していたら獲得したものだ。キリが悪いからもう1レベだけあげて帰ろう。
…
あー疲れた、10レベになったし終わるか。
スキル名の横に表示されているのが一応の説明です
ルアンLv.10 ステータス
PN:ルアン
Lv:10
JOB:Main:剣士(二刀流) Sub:なし
所持金:5000ディル
HP(体力):25
MP(魔力):10
STM (スタミナ):20
STR(力) :20
VIT (耐久):10
INT(知力):10
MND(精神) :10
DEX (器用):10
AGI (俊敏):20
LUK (幸運):10
称号:無し
スキル:スラッシュ
フラッシュラッシュ
ピアス
クイックピアス
スパイラルピアス
パリィ
クラッシュパリィ
シフトパリィ パリィ後敵の背後に回り込んで攻撃に繋げる New




