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聖壁ヒーロー・ロリリオン(更新ストップ中)  作者: 灰色の人参
俺は性癖でヒーローになれるらしい
7/10

変身しろと言われても①

急展開。

本当に疲れた一日だった。

女の子になり、何度も噛み、トイレを間違え、会長に呼び出され、男であることがバレる…………これがなんと一日で起きている。疲れないわけが無い。

表情もぐったりし始めた俺は、1人昇降口で座り込んでいた。


「まあ、一日じゃ人に慣れないか」


俺が学校に来た目的の一つとして、『友達を作る』がある。コミュ障すぎて友達などおらず、中学校ではハブられて、ネッ友も少ない。親密に話す人なんて誰もいない。だが、いつまでも妹に迷惑をかける訳にはいかないのだ。

俺はその場でゆっくり立ち、下駄箱から靴を取り出すと、学校を後にした。

自転車を取りに駐輪場に向かうと、何故か全て倒れていた。しかも倒れた方向はバラバラで、風とは思えない倒れ方をしていた。駐輪場荒らす不良とかいるんだろうか。そういうのには絡まれたくないな。

俺は自転車を起こし、それに乗って家まで戻る。大体20分くらいかかるだろう。

この街は割と人口が安定しており、学校や駅の周りはものすごい栄えていて、それ以外は普通、みたいな感じだ。俺の家も住宅街の中にあり、夜も騒音など聞こえてこないおかげで静かに暮らせる。

だから、夕方にもなれば静かで心地よい。自転車に乗りながら、物思いにふけることもできるくらいには落ち着くのだ。


━━━━━━━この静かさがなければ、後ろから近づく何かに気が付かなかっただろう。


キーン、と音がして自分に何かが向かってくるのがわかる。振り返ると、それは…巨大な人型のカエルであった。


「うわぁぁぁぁぁぁ!」


驚愕した俺はハンドルを切り間違え、その場に倒れる。カエルは俺の真上スレスレを通り抜け、俺の前に立ちはだかった。


「見つけたゲロ………お前が『鍵』ゲロね」

「は……?なんの事だよ!」


俺の事を鍵と呼ぶ謎のカエルは、イメージ通りの声でゲロゲロ言いながらこちらに近づいてくる。この状況、不気味でしかない。


「『鍵』を知らないゲロ……?じゃあ教えてやるゲロ」


カエルは見下すように言った。


「何だ…?」

「『鍵』とは……扉を開くものゲロ!」

「当たり前だろ!」

「当たり前ゲロ!だから聞かれた意味がわからんゲロ!」

「俺は鍵じゃねぇ!」

「いいや鍵ゲロ!現にお前の見に変化が起きただろう?」


こいつ……俺が男であることを知ってる?ものすごく気になる言い方だ。


「だからなんだ?俺をどうにかするのか?」

「あぁ…『鍵』よ、我らのエサになってもらうゲロ」


「え、ここで食われんの?」

「うん」

「うんじゃねぇよ!冗談じゃねえ!」


これは逃げないと死ぬ。だが、あのスピードで呼べるのなら俺ごときが逃げられるわけが無い。捕まって食われるがオチだ。


だが、俺はまだ死にたくない。なら逃げるしかない。


次の瞬間、俺は後ろを向いて全速力で走りだした。ただ距離をとるために。何も考えず。

カエルはその足で跳躍し、俺に飛びついてくる。


「逃げてもムダゲロ!大人しく食われろぉ!」


カエルが俺に、近づいて、近づいて…


「伏せなはれ!」


不意に、女性の声が聞こえる。俺は指示通りに伏せると、俺の真上を赤い和傘が異常なスピードで飛んでいき、カエルの腹を貫く。


「ゲロォォォォォォォー!?」

「か弱き娘はん、大丈夫どすか?」


助けてくれたのは、和傘を持った、黒髪の美しい少女だった。恐らく同い年か一個上くらいだろう。今の姿で見ると凄く差があるが。

刺されてもまだ生きているカエルが起き上がり、息を荒くしながら言葉を発する。


「邪魔するつもりか……我の食事をォォォ!」

「当たり前どす。鍵であるこの娘はんは渡さへん」

「なら、お前も食ってやるゲロォー!」


少女とカエルの戦闘が始まる。俺は突然の出来事に腰が抜けて、その場から動けなくなっていた。

すると、突然、後ろから方をたたかれる。


「大丈夫ですか?」

「え、何だこの小動物」

「私はは小動物じゃないですー!」


謎の喋る小動物は怒る。意外と言葉遣いが敬語。もう喋ることに関してはカエルの例があったので、驚かなくなってしまった。


「あのままだと、あなたを急いで追いかけて準備が万全でない椿ちゃんは負けてしまいます。あのカエルには何度も逃げられてますし」

「じゃあ……あの子は死んじまうのか!?それを俺はなんも出来ないのか?」

「なに、こんな話してるんだからできるに決まってますよ。」


なら、俺はやるしかない。突然の危機から助けてくれた少女を、俺の代わりに死なせる訳にはいかない。


「俺に、あの子を助けさせてくれ。恩返しがしたい」

「よく言いました。なら……」


小動物は俺に白いリボンを渡し、目をキラキラさせて、こう言った。





「貴方の性癖で、世界を救ってください!」





俺は、全く意味が分からなかった。

ようやく戦います(?)

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