入学式は疲れる③
進み悪くて本当にごめんなさい。
この学校の教室は、中学とは比べ物にならないほど綺麗で、まるで最近できたかのような感じが漂う。トイレすらピッカピカだった。高級感あるものの、とても過ごしやすそうな場所であった。
俺はドアの前に書かれた座席表に目を通した。
(よし、知ってるやつはいないな)
中学のトラウマとの再開にならなさそうでよかった。もうあんな惨めな思いは二度としたくないものだ。
俺の席はクラスの端だった。最初の文字が「お」なのに1番後ろなのは結構びっくりしたが、新鮮でいいものだ。
そして俺の前の席が…………さっきの薄川という男だ。
俺が扉を開けると、先に教室にいたクラスのみんなが一斉に俺を見る。めちゃくちゃ緊張する。
俺は歩いて自分の席につくと、すぐに薄川が話しかけてくる。
「君と近くになれて嬉しいよ、優希ちゃん」
「………………………あ、はい」
ものすごく軽く話しかけてくる薄川。コミュ障の俺にいきなりそんなテンションで来るとは、さては俺を苦しめようとしているな?いいかお前。俺みたいな人間はそのテンションで話しかけられると何も言えねぇんだよ。
とは言えず、俺が返答に困っているところを助けるように、担任の教師が教室に入ってきた。とても美人な先生で、女として完璧なスタイルなのではと思える。後ろから見ても男子諸君が釘付けなのはバレバレである。俺は近づけないが。
「全員いますね。私は担任の速水です。それでは一人ずつ自己紹介をお願いします」
妖艶な声に素晴らしい笑顔。男子のテンションはさらに上昇していた。
って待って!?今自己紹介って言った!?この俺に!?ふざけてんのか先生ェ!
皆が自己紹介を聞きながら自分の精神をひたすら安定させようと自己暗示をする。だが、落ち着ける前に自分の番が来てしまった。
立つと周りの視線がこちらに向く。もう俺には地獄にしか見えてなかった。
でも言うしかない。言わなければ余計変なやつだと思われる。意を決して、俺は口を開き……
「お…小しゃ内…優希です。よろしくお願いします」
ハイ噛んだー。
まだまだグダグダ進みます。ご了承を。




