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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38
第5章~悪魔の野心は花開くか~

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077、守護者として根を下ろす場所

筆者半分AI半分

数日後――。


ナスティアの外れに建てられていた仮設小屋は、いつの間にか堂々たる屋敷へと姿を変えていた。

新しい木材の香りが風に乗り、陽光を受けた屋根が静かに輝いている。


双葉は腕を組み、満足げに建物を見上げた。


「できる限りのことはしたさね。後はどうするかは、ゴルゴン。あんたが決めな」


「ああ、分かった。ありがとう」


短く礼を言うゴルゴンに、双葉は口の端を歪めて笑う。


「クク……じゃあな」


そう言い残し、老大工は踵を返した。


屋敷の大きさに目を丸くしていたタフィスが感嘆の声を漏らす。


「すげえ……。大工ってこんな短期間でこんな規模の建物作れちゃうんだ……」


リルカージュは腰に手を当て、ふうと息を吐いた。


「さてと。私たちの役目は終わり、かな?」


エレンは軽く頷く。


「ああ。ご苦労様。三人とも帰っていいぞ」


「ようやく我が家に帰れるー!」


タフィスは両手を挙げて歓声を上げる。

リルカージュも満面の笑みで言った。


「帰ったらみんなに自慢しようっと」


その横で、ティエザが一歩前に出る。


「あの、エレンさん」


「なんだ?」


「その……ここに残り続けてもいいですか?」


一瞬、空気が止まった。


だが次の瞬間、エレンは愉快そうに笑い出した。


「はっはっはっ! 構わんぞ。なんなら私が直々教えてやろうか?」


ティエザは首を横に振る。


「えっと……悪魔さんたちとがいいです」


その言葉に、エレンは目を見開いた。

そして次第に笑いを深めていく。


「クックックッ……あっはっはっはっ!

国中の兵士が、この地域最強の私の教えを待ち望んでいるのに!

お前はそれを蹴るか! 最高だ、ティエザ!」


笑いながら肩を叩き、さらに言い放つ。


「もう逃がさんぞ。お前が嫌と言っても、この地に残してやる」


横で腕を組んでいたワットが、小さく呟いた。


「こりゃ、大物になりそうだ」


その言葉は、風の中に静かに溶けていった。


タフィスとリルカージュが村を離れた後、屋敷の中を一通り見終えたゴルゴンは外へ出た。


そこには、見物に来た魔族たちの姿があった。


「やあ、ゴルゴン殿。とても立派な屋敷だね」


村長ルートルードが穏やかに声をかける。


イールは感嘆したように屋敷を見上げた。


「ふわあ……こりゃナスティア一の名物になるなあ」


オーウェンも笑みを浮かべる。


「数日ですっかりナスティアの一員だな」


「ありがとうございます」


ゴルゴンは軽く頭を下げた。


やがてオーウェンが真剣な眼差しを向ける。


「ゴルゴンさん。あなたはどのような戦い方が得意ですか?」


「肉弾戦、魔術戦、どちらも得意としている」


「では一つ、手合わせを――」


だがゴルゴンは静かに首を振った。


「いや、やめておこう」


「なぜだい?」


「私が圧勝してしまうだろう。

かといって、手加減できるほど差があるわけでもない。

最悪、君を殺してしまうかもしれない」


一瞬の沈黙の後、オーウェンはふっと笑った。


「なるほど。その闘気……たしかにまともに受ければ私ではひとたまりもない。

分かりました。ここは私の不戦敗としましょう」


「すまないな」


イールが苦笑する。


「強者の会話ってすごいですねえ。言ってることは分かるんですけどね。

私は才能が皆無でして。強者には手加減されるのが当たり前でしたから」


ゴルゴンは彼女を見つめる。


「その割には、かなり玄人な動きをしているようだが?」


「努力はしてますからね。門番であり続けるために」


ルートルードが穏やかに続ける。


「イールなりの村への貢献の形なのです。

オーウェンは私のそばで生活を支えてくれる。剣でも、食でも。

それもまた一つのあり方ですよ」


「なるほどな」


ゴルゴンはゆっくり頷いた。


「私は……強さで一番になれなくても、この村をまとめる。

それが私のあり方です」


村長の言葉に、ゴルゴンはふと目を細める。


「だからか。初めて会った時、まずはここを守ってみろと言ったのは」


「ええ。あなたのあり方を示す指標になればと思いまして」


ゴルゴンは小さく笑った。


「ククク……なら、今の私はさながら『村の守護者』だな」


オーウェンが力強く頷く。


「裂け目の巡回をしているなら、まさにそうですね!」


イールが両手を叩く。


「守護者屋!」


「やめろやめろ! 私にも照れはある」


「あ、顔赤いですよ?」


「っ……私は屋敷に戻るぞ!」


足早に背を向けるゴルゴンを見送りながら、ルートルードは静かに微笑んだ。


「では、また明日」


「また明日な」


村の風は穏やかに吹き、

新しい守護者の背中をそっと押していた。

ゴルゴンの成長が著しいですね。見ていて笑顔になりそうです。

ティエザ君もすごい決断力。彼もとても成長しました。

この二人、今後が楽しみですね。

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