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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38
第5章~悪魔の野心は花開くか~

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073、価値観の揺らぎ

筆者半分AI半分

 朝の光が村を白く照らしていた。


「ゴルゴン。セントビア王に謁見の許可をもらってきた。会いに行くといい」


 エレンが簡潔に告げる。


「たしか、この村の隣の王国の統治者だったな。一度話したいと思っていた。すぐに支度する。エンは悪魔たちの面倒を見ていてくれ」


「はいよ」


 エンは軽く手を振った。


「あの……」


 遠慮がちにティエザが口を開く。


「ん? どうした、ティエザ?」


「その謁見に、僕もついて行っていいですか?」


「ティエザ!? 相手は王様だよ!? しかも悪魔と一緒に!」


 リルカージュが思わず声を上げる。


「ティエザ! いい加減になつきすぎよ!」


 タフィスも慌てて続いた。


「ふむ。良いだろう。兵士が一人いたほうが信頼出来ると言うものだ」


 エレンはあっさりと頷く。


「エレンさんまで! 止めてくださいよ!」


「これじゃあまるで悪魔に魅了された人間みたいになっちゃう!」


 半ば悲鳴に近い声だった。


「ティエザはこう言われているが、どうしたい?」


 ゴルゴンが静かに問う。


「ゴルゴンさんたちが早く馴染むために、全力を注ぎたいです」


 迷いのない答えだった。


「決まりだな」


 エレンが短く言う。


「ティエザが魅了されてしまった……」


「こうして王国は徐々に悪魔の手に落ちるのね……」


 リルカージュとタフィスが顔を覆う。


「お師匠、用ってなんだい?」


 そこへニーナが歩み寄ってきた。


「リルカージュとタフィスを見てやってほしい」


「はいよ」


「さて、準備も出来た。行くとしよう」


 ゴルゴンが背を向ける。


「ゴルゴンさん、手、つないでもいいですか?」


「ん? 別に構わんが……」


「……えへへ」


 ティエザは嬉しそうにその手を握った。


 やがて三人の背中が遠ざかっていく。


 残されたのは、重たい沈黙だった。


「なんでこうも悪魔を信頼出来るかねえ……」


 タフィスが呟く。


「ティエザは、もうだめかもしれんね」


 リルカージュが肩を落とす。


「だめなのはお前らだ」


 ニーナの声は静かだった。


「え?」


「どういうことですか?」


「お前ら、ルートルードさんはどう思う?」


「この村の村長で、優しい人だと思います」


「じゃあ、ゴルゴンさんは?」


「怖い悪魔です」


「じゃあ次。ルートルードは“人”なのに、ゴルゴンはなんで“悪魔”なんだ?」


 二人は言葉を失った。


「何が言いたいんですか?」


 リルカージュが睨む。


「お前ら、魔族は“人”で見るのに、悪魔は“人”で見てないよな?」


「……言われてみれば」


「悪魔は悪魔ですよ。それが悪いんですか?」


「その理論なら、魔族も“悪魔”だぞ。魔族は悪魔族人間種だからな」


「それは……でも、魔族は見た目も人間に近いし……」


「リルカージュは見た目だけで差別するのか?」


 短い沈黙。


「……すみません」


「分かったなら、ゴルゴンが帰ってきた時に謝りな」


 ニーナはそれだけ言った。


「もしかして、私たち、すごく失礼だったのかな?」


「だろうね。流石に、反省する……」


 朝の光は変わらず眩しかった。


 だが、二人の中で何かが確かに変わり始めていた。

リルカージュは悪魔=悪、と言う考えのもと行動していました。

ですが、ニーナに言われて、それが正しくないことを目の当たりにしました。

彼女にとって、この出来事は大きな意味を持つでしょう。

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