069、世界を統治するということ
筆者半分AI半分作成
ワットに案内され、ゴルゴンたちはナスティア村の中心へと足を運んだ。
そこで彼らを待っていたのは、この村を治める長――ルートルードだった。
「ワットさん。この方々は?」
穏やかな声で問いかけるルートルードに、ゴルゴンが一歩前に出る。胸を張り、堂々と名乗った。
「私の名はゴルゴン。いずれこの世界の王になる者だ」
その横で、エンが静かに一礼する。
「エンよ。お世話になるわ」
「ゴルゴンさんに、エンさんですね。私はルートルード。この村を治める村長です」
互いの名乗りが終わると、ゴルゴンは村の様子を見回した。畑を耕す者、荷を運ぶ者、子どもたちの声。戦の匂いはほとんどない。
「見たところ、力を鍛えている感じはなさそうだな」
その言葉に、ルートルードは動じることなく答える。
「そうですね。この世界では、魔界のように力で支配する構造ではありません。それに――」
一拍置いて、静かに続けた。
「力だけでは支配できない世界のように感じています」
ゴルゴンは腕を組む。
「ふむ……厄介だな。単純な世界ほど、力を示せば支配も容易なのだが」
彼は遠くを見やるように言った。
「裂け目のせいで、それだけでは破綻してしまう」
その言葉に、ルートルードはふと疑問を口にした。
「ゴルゴンさんは、なぜ世界の王になりたいのですか?」
ゴルゴンは少し考えた。ほんの短い沈黙のあと、はっきりと答える。
「私が王となれば、この世界をより屈強な――裂け目の向こう側に怯えることのない世界を作れるだろう」
「それは、裂け目の敵と正面からぶつかって勝てるようにする、ということですか?」
「そうだ」
迷いのない声だった。
ルートルードはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「ふむ。ゴルゴンさん」
そのまなざしは、先ほどまでの穏やかなものとは違っていた。静かだが鋭い。
「なんだ?」
「力で手に入れた平穏は、力によって覆される。そのことを、肝に銘じなされ」
一瞬の沈黙。
ゴルゴンは小さく息を吐いた。
「……そうだな」
横でエンが肩をすくめる。
「過去に力によって還されたからね。重々承知さ」
ゴルゴンはルートルードへ視線を向けた。
「ルートルード殿。力で手に入れない平穏を得るには、どうすればいい?」
ルートルードは穏やかに微笑む。
「まずは、この村とセントビア王国の民を守ることをしてみなされ。さすれば、自ずと答えは出ましょう」
ゴルゴンは短くうなずいた。
「分かった」
そして、周囲を見渡す。何かを探すような視線だった。
「では、手始めに我が居城を造りたいのだが」
そのとき、背後から聞き慣れた声が響いた。
「ゴルゴン」
振り向くと、エレンが数人の人間を連れて戻ってきていた。
「人間の若者を数人連れてきた。住処を建てるなら力になってくれるだろう」
前に出た若者が、緊張した面持ちで頭を下げる。
「は、初めまして! ティエザです。兵士です!」
続いて、落ち着いた口調の少女が一歩前に出る。
「こんにちは。リルカージュです。同じく兵士です」
最後に、小柄な少女が少し照れたように名乗った。
「初めまして。タフィスです。ハンター見習いです」
ゴルゴンは彼らを見下ろし、眉をひそめた。
「力なら下級悪魔のほうが上のようだが?」
エレンが肩をすくめる。
「細かい作業や建築の技術は持ってないだろ? タフィスが簡易の小屋なら作れるそうだ」
ゴルゴンは唸るように言った。
「むう……」
しばらく考え、渋々うなずく。
「まずは小屋で我慢するとしよう」
不満げではあったが、ひとまずこの世界の流儀に従うつもりらしい。
こうして――
魔族、人間、そして悪魔が入り混じる、奇妙な共同生活がナスティア村で始まろうとしていた。
ゴルゴンは力で支配しようと思っていたが、過去に失敗しているのでルートルードの言葉に反応します。
過ちを繰り返さずに、だが野心も忘れずに活動するにはどうしたらよいか。
それをこれから考えながら過ごすことになるでしょう。




