068、ゴルゴンの再来
AI作成、セリフ筆者
ナスティア村の外れにある時空のゆがみ。その空間が、再び裂け目へと変わろうとしていた。
「ワット、住民の避難は?」
エレンが問いかける。
「とっくに終わってるよ。いると邪魔だからね」
ワットは肩をすくめて答えた。
「スゥとニーナは?」
「今回は予兆から発生までが短いから、不測の事態に備えて、セントビアとナスティアの要所を守るそうな」
エレンは軽く笑った。「ふっ。あいつらも、自力判断力がついてきたじゃないか」
ワットは斧を握りながら告げる。「と言うわけで、俺は伝令。エレン、二人に伝えることはある?」
「まあ、大丈夫だろう。この地に修復師はいないけど、時間経過で閉じるのは確認できている。それまで被害を食い止める程度でいい」
エレンは槍を背に構え、戦闘態勢を取った。ワットも斧を構えて警戒する。
ゆがみは裂け目へと変わり、周囲の空間が不安定に歪む。
「ん?」
裂け目の向こうから、悪魔の軍勢が姿を現した。
下級悪魔たちは口々に意思を伝え合う。
「魔族。無闇に戦うなと命令されてる」
「キキー! 戦うな!」
エレンは眉をひそめ、構えを崩さずに見守った。普段なら好戦的なはずの悪魔たちが、統率感をもって行動している。
中級悪魔が声を上げる。「まずはゴルゴン様が来るまで待機だ」
「キキー! りょーかい!」
やがて中級悪魔5匹、下級悪魔30匹ほどが現れ、奥から一際存在感のある男女が歩み出す。
中級悪魔たちは膝をつき、二人を迎えた。「ゴルゴン様、エン様」
「ようやく戻れたか。エン、裂け目を閉じておけ」
エンは軽くうなずき、魔力を糸のように編む。裂け目は程なくしてゆがみへと戻った。
ゴルゴンが戦士に告げる。「さて、槍を納めよ」
エレンは警戒しつつも、槍を背中に収めた。
「ぞろぞろと軍勢を率いてきたようだが、この世界に何の用だ?」
「この世界を統治するためだ。私の力をもってすれば、世界を支配することもできる」
「ほう。それで?」
「お前も私の配下に下らんか? お前ほどの実力なら、重要な役職を与えるとしよう」
「悪いが、遠慮しとくよ」
ゴルゴンは少し眉をひそめる。「ふん。だが、世界を支配しようにも、気になる点があるな」
「ほう。言ってみろ」
「この時空のゆがみについてだ。頻繁に裂け目が発生しては、統治どころではない」
「いい読みだ。世界中にあるよ、裂け目は」
「やはりか……。エン、どう思う?」
「この世界じゃ、支配する意味は薄いかもね。裂け目の対処できる者を集めてから支配するでも良いだろう」
エレンは肩をすくめる。「そもそも支配しない、という考えはないんだな」
「世界がどうなるか次第だ。今のままでは何もせずに追い返されかねん。必要とあれば支配するまでだ」
ワットが切り出す。「ところで、皆さんはどこか暮らすあてはあるんかい?」
「そこら辺で野生動物を狩れれば問題ない。脆弱な人間と違い生でも食えるからな」
「じゃあさ、せっかくならこのナスティア村で暮らしてみたらどう?」
ゴルゴンもエレンも懸念を示すが、ワットははっきりと意見を述べた。
「そこの、エンさんかな? 修復師の素質あるよ。一緒に住んだほうが互いの利益になると思うんだ」
「その修復師とは?」
「ゆがみが裂け目になったとき、元のゆがみに戻す作業をする人さ。さっきエンさんがやったように、裂け目を閉じることだよ」
「まあ悪い話ではないんじゃない? 拠点を持てるのは後々有利よ」
こうして、少し奇妙な縁でナスティア村の一員となった悪魔の軍勢。
これからこの地でどのようなことが起きるのか——。
以前スキアに追い返されたゴルゴンが、再びこの地へとやってきました。
しかし、前と違いかなり慎重な様子。野心は捨てていないが、即座に警戒すべきでもない。
彼らを変えたのは、やはり裂け目の向こうの過酷な世界を経験したからなのでしょうか?




