061、瓜二つの青年
筆者執筆AI修正
ヒサメはいつものように、やってくる定期船の気配を察知した。
(今日は、やけに澄んだ人が二人来るわね……)
「チェルシー、港へ行くわよ」
「了解。定期船で来る人のチェックだね」
「ええ。月詠はいつものように連絡をよろしくね」
「分かった」
ヒサメとチェルシーが港に着くと、定期船はちょうど到着したところだった。
「今日は3人か。少なめだね。1人は漁師さんだね。うちの漁師と楽しそうに会話してる」
「そうね。残り二人は、旅人かしらね」
「あ、降りてきたよ」
「!!」
ヒサメは目を見開き、思わず息を呑む。
そこにいたのは、使命を帯びながらも前を向いて活動しているであろう青年――スキア‐サディア。
(なぜあの方がここに!? いや、冷静になれ。あれは“この世界”のスキア様。別人よ……)
スキアはチェルシーの顔を見ると、笑顔で叫んだ。
「チェルシー! 久しぶりだ! 3年振りだな!」
チェルシーもかつて旅をしていた頃に出会ったスキアとの再会に喜びを隠せない。
「スキア! 本当に久しぶり! まさかあなたたちだったなんて!」
レインも手を振って応える。
スキアとレインはチェルシーとヒサメの元へ歩み寄る。
「今日こそ、友として会いに来たと言えるだろう。まさかここで出会えるとはな! 早速良いことがあった」
「あれからいろいろあったよ」
「二人とも元気そうだね! あ、そうそう、隣の彼女は私の縫界衛士をしてくれてるヒサメよ」
「……」
ヒサメはスキアを凝視したまま、声が出ない。
「ヒサメ?」
「……」
(やっぱり違う。あの人とは。それはそう、あの人はあの時に、いなくなったのだから……)
ヒサメは頭を数回横に振ると、微笑みを浮かべて口を開いた。
「ようこそ、狐火和国へ。私はこの国の国民の一人、雨宮ヒサメと申します。今回はどのようなご用件ですか?」
スキアはヒサメの目を見つめ、答える。
「紫妖狐、と言う方に会い、挨拶をしたい」
ヒサメは笑顔を崩さず、案内する。
「でしたら、私とチェルシーで案内しますわ。どうぞ、こちらに」
「ありがとう。助かる」
ヒサメは自分の頬が熱くなるのを実感していた。
(違う! あの人とは違うのよ! でも、スキア様。生きていて、良かった。嬉しゅうございます……)
かつての想い人であったスキアを見たヒサメ。彼女にとってこれほど大きな衝撃はありません。
目の前で恋人を失った彼女にとって、彼の登場は大きな波を生みます。
ヒサメはどう思い、どのように感じ、どのように行動するのか。目が離せません。




