048、歪みの利用論争
AI作成セリフ筆者
アングリアの街道沿い、三人は静かに佇む。目の前にあるのは、微かに光を帯びた空間の歪み――ゆがみだ。
エレシィが指を差す。
「ここね。これがゆがみ」
エレンはその場に立ち、目を細める。
「今は安定しているようだな」
タイラントは首をかしげながら近づく。
「ここがどうかしたんですか?」
エレンの視線は鋭い。
「タイラント、よく見てみるんだ。マナの流れが少し違うはずだ」
タイラントは手を伸ばして空気を感じる。
「えっと……あ、たしかに少し流れが違いますね」
エレシィは興奮した声を上げた。
「どれどれ、ちょっと何か取り出してみて――」
その瞬間、近くの住民が慌てた声で制止する。
「ああ、ダメダメ! ゆがみは使っちゃダメだよ!」
エレシィは驚いて振り返る。
「え?」
住民は息を整え、言葉を続ける。
「よそ者かい? この国じゃ、ゆがみは使っちゃいけないんだ。法律で決まってる」
エレシィの瞳が輝く。
「なんと! 嘆かわしいわ! こんな便利なものを使わないなんて!」
住民は肩をすくめ、苦笑する。
「そうは言うがな、世界が崩壊するのに比べたら、使わない方がマシさ。使わなくても何とかなる。ちょっとくらい不便でも問題ないよ」
エレンは深く頷く。
「その話、詳しく聞かせてもらえるか?」
住民はため息をつき、話し始めた。
「なんでも、ゆがみを使うと裂け目が出来る。使い過ぎると裂け目が大きくなりすぎて修復できなくなるらしい。詳しいことは知らん。でもな、使わなくても生活は回るんだ」
エレシィは眉をひそめる。
「なるほど。裂け目ができる理由はそういうことね」
エレンはタイラントに目を向けた。
「タイラント、今の話を聞いてどう思う?」
タイラントは考え込み、答える。
「そうですね……。ゆがみを管理して必要最低限利用し、裂け目前に対処すればいいんじゃないでしょうか?」
しかし住民は首を振った。
「前に対処って、時空管理局でも発見はせいぜい1時間前が限界さ。どうやって対処するんだ?」
エレシィは眉を上げる。
「1時間もあれば避難も出来るし、対処もできるんじゃない?」
住民は肩を揺らし、声を強めた。
「馬鹿を言うな! 何万人と人口がいるんだぞ。1時間で避難したら、道路はすぐパンクする!」
タイラントは小さく唸った。
「それだと難しいですね……。となると、裂け目の発生自体を抑えるしかないか」
エレシィは悔しそうに眉をひそめる。
「でもそれは、ゆがみの利便性に対する冒涜よ。管理の精度を上げれば済む話なのに」
エレンは深く息をつき、少し微笑んだ。
「ありがとう。宿に着いたら、少し話し合ってみるよ」
住民は肩をすくめ、見送る。
「くれぐれも変な真似はするなよな」
三人はゆがみを背に、静かに先へ進んだ。
アングリアは先の調査で歪みの危険性の周知を行いました。
知らずに使おうとしたエレシィに対して、当たり前のように注意します。
エレシィはなんとしても裂け目の研究をしたいようですが果たして……。




