047、妖剣の本質と反転
AI作成、セリフ筆者
王城を出た一行は、城下町の雑踏を抜け、アングリアへと通じる橋へと向かっていた。日差しが差し込み、木々の葉が風に揺れる。平穏そうな景色だったが、三人の目には緊張感が漂っていた。
エレンはタイラントの横に立ち、静かに問いかける。
「タイラント。改めて聞こう。その妖剣はどこで手に入れた?」
少年は少し俯き、言葉を選ぶように答える。
「僕が生まれた時に、父が僕に渡したそうです。その時に父は亡くなっていて……母はそれ以来、できるだけ僕と関わらないようにしていました」
エレシィは眉をひそめる。
「勝手に呪われた剣を渡して、勝手に見放すってひどいわね」
タイラントは小さく肩をすくめる。
「いいんです。そうすることで、母を失わずに済んだんですから」
エレンは少年の瞳を見つめ、頷いた。
「なるほど。だからお前は、”純粋”なのか」
「と言いますと?」タイラントは首をかしげる。
「愛情でも諦めでも憎しみでもない。あるのは、ただの”受け入れ”。お前は、国王への感情も母への愛情も、妖剣への感情もすべて受け入れている。それゆえに混濁があっても、純粋なのだ」
エレシィは首をかしげながらも呟く。
「難しいことを言うわね」
だがエレンの表情は真剣そのものだった。
「だが、このままでは妖剣に振り回されるだろう。少し、見せてみろ」
「私が持った状態で良いなら……どうぞ」
タイラントは慎重に剣を差し出す。エレンの手が剣に触れると、空気が微かに震えた。
「……なるほど。……ふむ、そうか。そう言うやつなんだな」
エレシィが首をかしげる。
「なにしてるの?」
「剣の”声”を聞いている」エレンは静かに答える。「どうやらこの妖剣は、かなり嫉妬深い。お前のことが好きで好きでたまらない。だから他の物を持つと傷つけ、手に持つと他者に心移りしてほしくないから傷つける」
タイラントは理解したように頷く。
「ああ……だから父が死んだり、食事でナイフを持つだけでも怪我をするんですね」
エレンは剣をしっかりと握り返す。
「なら、こうするのが手っ取り早い」
不意に、エレンはタイラントから妖剣を取り上げた。
「え? それだと災いが――」
「ぬうん!」
膨大なマナが剣へと流れ込む。紫色に揺らめく刀身が青白く光り始めた。剣の内部から、わずかに震えるような力が伝わってくる。
「クックックッ、まだ欲しいのか! なら思う存分くれてやろう!」
エレンのマナは止まることなく妖剣に注がれる。刀身は瞬く間に変化し、ついに紫色の炎が静かな青白に変わった。
「ふっ、そろそろ終いのようだな」
剣は妖剣から宝剣へと昇華し、タイラントの手に戻る。少年は驚きと喜びで剣を握りしめる。
「え、うわっ……体中が温かい……」
エレンは微笑む。
「妖剣の性質を”反転”させた。願い、つまりお前を思う気持ちがマナを枯渇させていたのでな。いくら使っても枯渇しないくらいマナを分け与えてやった」
タイラントは剣の感覚を確かめるように手元で振る。
「すごい……剣が守りたいって言ってるみたいだ」
エレンは頷く。
「その通りだ。これからは、手離せばどこにあろうと剣の”意志”でお前の手元に戻り、手に持てば周囲を含め全てを守る力を与える」
エレシィはため息交じりに呟く。
「……どんだけ規格外なのよ、あなたは……」
タイラントは感謝の眼差しで剣を見つめる。
「ありがとうございます。この剣は、私の宝物になりました」
エレンは軽く頷き、声をかけた。
「だから言っただろう。宝剣だと」
こうして、妖剣は宝剣として生まれ変わり、タイラントの手元で新たな力を宿したまま、旅は続く。
エレンは武器などの”声”を聞きます。エレンが言うには妖剣や魔剣は我が強い剣だそうです。
それゆえ、自分の意に沿わない持ち主を傷つけたりします。
エレンはそれを汲み、その剣が使いやすいように扱います。
ゆえに、エレンの技は魔槍でも使え、練習用の竹やりでも同じ技を使えます。




