041、緊急招集
筆者執筆、AI追記
アキバスは声を張った。
「支部長!」
ディバインは驚きの色を浮かべ、厳格な目で彼を見つめる。
「どうした、血相を変えて」
「今すぐ調査部を解体してください! それと、今後一切、ゆがみの利用を停止してください!」
「……詳しく話せ」
アキバスは息を整えながら説明を始める。
「先ほどのデータに、裂け目の発生原因の仮説が書かれていました。そこには、『神隠し』が起きた場所を何度も行き来したら裂け目が発生すると……。神隠しとは、おそらく裂け目に落ちた人が別時空へ移動したことを指します。そして、それを繰り返すと裂け目になるのです」
「把握した。ゆがみを使えば、裂け目になるリスクが増える、ということだな?」
「はい。そして、最後にこう書かれていました。『裂け目が広がり過ぎると、世界が滅びる』と」
ディバインは深く息を吸い、目の奥で決意を固めるようにして言った。
「君が血相を変えた理由がよくわかった。全ギルド長および代表者、管理局の部長クラスを招集する。アキバス、お前も手伝え」
「分かりました」
総合センターの一室には、ギルド長や代表者たちが集まった。
「おいおい、緊急招集なんて何事だ?」
武具職人ギルド長ギースは戸惑いの声をあげる。
「アロンソ。お前また何かやらかしたのか?」
「そういうミックが何かミスったんじゃないのか?」
ハンターギルド長ミックとバトルギルド長アロンソが早速言い争う。
「この天才科学者クレイヴァー様にかかれば、どんな出来事も対応してくれよう!」
最新技術研究室長クレイヴァーは、やや興奮気味に胸を張る。
「しかし私たちも同時となると、少々気になりますね」
技術部長ハーフバルが眉をひそめる。
「ですね。全員集まるのは、国の名前を決める時以来かしら?」
監視部長セシリアも思案顔だ。
「しかしあの調査オタクと支部長の共同で集めたって話じゃねえか。どういうこった?」
治安維持部長ホムラは首をかしげる。
アキバスは全員を見渡し、支部長ディバインに合図を送った。
「みんな集まったみたいだな。支部長、お願いします」
「率直に言おう。今後、一切のゆがみの利用を禁ずる」
一瞬の沈黙。ギースが驚きの声を上げる。
「おいおいおいちょっと待てちょっと待て! それは困る! 商売が成り立たなくなるよ!」
「最新鋭の罠が使えなくなる。野生動物の対処の根本から見直す必要が出ますよ」
「こちらも武具が調達できなくなると治安維持部との連携に支障が出る」
ディバインは厳しい口調で答えた。
「君たちの意見は最もだ。しかし、ゆがみの利用が世界崩壊を招くと言ったら? どうする?」
ギースは目を見開いた。
「……穏やかじゃないな。裂け目を飛び越えて世界崩壊だと?」
「世界崩壊と比べたら、根本見直しの方がまだマシですが……」
「それで? なぜいきなり世界崩壊なんて話になったんです?」
ディバインはアキバスの調査を示す。
「今日、アキバスが終わった世界での調査を終え帰ってきた品に、終わった原因が記されていた。それが、今言ったことに直接つながる」
「終わった世界の終わった原因……なるほど、たしかに信ぴょう性もある」
ハーフバルがうなずく。
「しかし、国民も利用しています。いきなり停止するのは混乱を招きますよ」
セシリアが指摘する。
クレイヴァーは胸を張って提案する。
「なら簡単だ。今ここで新制度として導入してしまえばいい。守らなければ罰則をつければ皆守るだろう。それに管理局、武具ギルド、ハンターギルド、バトルギルドの連名で出せば文句を言う輩も少ない」
「頭いいな」
ホムラも感心した声を漏らす。
「なにせ天才ですから!」
クレイヴァーは得意げに胸を張る。
「……考える時間はくれないのか?」
ギースが呟く。
「一刻を争う」
ディバインは短く答えた。
「……分かった。信じよう。ミック、アロンソ、お前たちもいいか?」
「そうですね。管理局にはお世話になってるし、従うのが良さそうです」
「だな。文句を言うやつはこっちでしょっ引いてやるから」
ディバインは重々しく告げた。
「では、支部長である私とギース、ミック、アロンソの連名で、『ゆがみ利用禁止法』を設立する。クレイヴァーは全体アナウンスで国民に周知徹底を」
裂け目の原因。それはゆがみの使いすぎ。これがついに明るみに出ました。
何気なく使っていたゆがみ。その危険性がここに明らかに。




