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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38
第2章~和美とイザヨイ、二人の神童~

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036、帰り道、足取りは軽く

前半筆者後半AI作成

3日後、ヘルガイトの屋敷前。朝の光が荒野を照らす中、旅立ちの時間が訪れていた。


卯月が笑顔を作る。

「今まで、ありがとうございました」


ヘルガイトは大きく手を振った。

「いいってことよ! 何ならいつでも遊びに来ていいからな!」


ピーゼンもにっこり。

「歓迎する」


トスクは優雅に頭を下げる。

「私も喜んで皆さんをお相手しますわ」


ソメシノは深く一礼した。

「では、私も行ってまいります」


ディルがにっこりと笑う。

「おう。達者でな」


クーも手を振る。

「元気でね」


和美とイザヨイも同じように応える。

「みんな、ありがとう!」

「ありがとう!」


ラジリーは静かに微笑む。

「いいのよ」


コーエンは砂に手をかざす。

「みなさんが”らしく”生きられるように、砂に願いを込めておきますね」


卯月が軽く肩を叩く。

「じゃあ、和美、イザヨイ、ソメシノさん。行くよ?」


3人は頷き、静かに荒野の道を歩き始めた。


サキが小さく呟く。

「別れというのは、いつも寂しいものですね」


ヘルガイトは肩をすくめる。

「今生の別れじゃないんだ。会いたきゃ会いに行けばいい」


ラジリーは手元の道具を見やりながら言った。

「さてと、それじゃ、地下水組み上げてくるか」


サキも動き出す。

「私は料理をしなきゃ」


こうして荒野に残る者たちは、少しずつ日常へと戻っていった。


卯月は振り返り、3人に声をかける。

「さて、と。みんなは食料をどれだけ持ってきたのかな?」


和美は笑いながら肩をすくめた。

「何にもない!」


イザヨイも同じ。

「右に同じ!」


ソメシノは少し恥ずかしそうに小さく答える。

「私は、イナゴの佃煮を少々……」


卯月は大げさに手を叩く。

「うぉい! 誰もまともに食料持ってきてないんかい!? 全く……。私がいなかったら帰りどうするつもりだったの?」


和美は元気よく。

「気合い!」


イザヨイも続く。

「根性!」


ソメシノは口をもごもごさせる。

「ど、どりょ、く?」


卯月は苦笑する。

「気合と根性だけじゃ腹は満たせません! 努力も間違ってないけど、何に努力するかが大事なのよ。というわけで、みんなにはこれを渡そうと思う」


和美が手に取る。

「変わった湯呑」


イザヨイも覗き込む。

「蓋がついてる」


ソメシノは小さく笑う。

「これは”水筒”と言って、中に水などを入れて持ち運ぶことができるんですよ」


卯月は得意げに胸を張る。

「サキちゃんとクーちゃんが荒野を渡るなら持っていけ、て。大正解だったみたいだけどね」


ソメシノは頷く。

「お二人には感謝ですね」


荒野の向こうに森の緑が見えてきた。


卯月が指さす。

「お、見えてきた。来るときに越えてきた森林だね」


和美は懐かしそうに息をつく。

「なんだか懐かしいな」


イザヨイも頷く。

「すっごく昔に通ったみたいに感じる」


荒野を抜け、森の縁にたどり着いた頃、太陽は傾き、木々の影が長く伸びていた。森の奥からは、鳥のさえずりと風に揺れる葉の音が混ざり合い、どこか静かで生き生きとした空気を運んでくる。


卯月が腰に手を当てて振り返る。

「今夜はここで野営するから、和美は火を起こすの手伝って。イザヨイは薪集め」


和美は手早く立ち上がり、乾いた枝を集める。「了解!」

イザヨイも森の中に軽やかに足を踏み入れ、ざくざくと薪を集める。「合点」

ソメシノは周囲の景色を見渡す。木々の間から漏れる光が地面に斑模様を作り、風に乗って湿った土の香りと落ち葉の香ばしい匂いが漂う。


「私は……初めての道ですね」


卯月は笑い、近くの低い木の実を指さす。

「そうねえ。遠くに行かない範囲で、きのみを集めてくれないかしら? 食べられるやつが分かればそれを持ってきて」


ソメシノは小さく頷き、ゆっくりと森に足を踏み入れた。手で落ち葉をかき分けながら、黄色や赤に色づいた小さな実を探す。鳥の羽ばたきが頭上を通り抜け、枝の間を光が揺れるたびに、自分がまるで世界に溶け込むような感覚に包まれる。


「はい、頑張ります!」


和美の声と、イザヨイの笑い声が森に響く。ソメシノは胸がじんわりと温かくなるのを感じた。荒野で泣き崩れた自分が、今こうして仲間と共に自然の中で息をする。世界はまだ、こんなにも生きているのだ、と。


焚き火がゆらめき、和美が火をかき混ぜる音、イザヨイが薪をくべる音が森の静けさに溶け込む。ソメシノは小さな手で摘んだ木の実を袋に入れながら、静かに思う。


——これから、私もここで生きるのだ。必要とされ、見守られながら、”らしく”生きるために。


森は深く、風は冷たく、しかし、どこか安心できる光景が広がっていた。

荒野を越えてきた疲れも、少しずつ癒されていく。


朱雀町へと4人は歩を進めていきます。道中野営をするようです。

しかし、卯月さんがいなかったら、きっと3人は修復師となる前に飢餓者になっていましたね。

頼りになるやらならないんだか。

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