035、朱雀町の修復に携わるだろう者
AI作成、セリフ筆者
翌日、ヘルガイトの屋敷の広間。朝の光が差し込み、昨日の出来事を思い返すには十分すぎるほど静かだった。
ヘルガイトが大きく手を打つ。
「よし、みんな集合したな?」
ディルが眉をひそめる。
「どうしたんだ? 改めて皆を集めるなど?」
ヘルガイトはにやりと笑った。
「イザヨイが言っていた”神話”について少しみんなに知ってほしいと思ってな」
イザヨイが胸を張る。
「というわけで、今回は私が神話についてお話するよ」
クーは目を輝かせて頷いた。
「楽しみ」
イザヨイは軽く咳払いをし、話を始める。
「では、コホン。リディア様とキミーネ様のお話。リディア様はエルフの里で最も優秀なマナの使い手でした。キミーネ様はエルフの里で最も優秀な戦士でした。ある日、二人は世界の裂け目を見つけます。リディア様はマナを使って裂け目を直します。そのリディア様を、キミーネ様が守ります。裂け目は無事直されました。これが、修復師と縫界衛士の始まりである」
ヘルガイトが頷く。
「ありがとう、イザヨイ」
「どういたしまして」
ヘルガイトは広間を見渡した。
「つまり、だ。今まで我がやっていた裂け目を直すことや、ソメシノがやっていた裂け目の修復は、この修復師という職業だということだ」
ソメシノは小さく息を呑む。
「修復師……ですか」
「そして、この話をもとにすると、ディルやクー、和美やイザヨイは縫界衛士になるな」
「だね」クーも素直に頷く。
ディルが首をかしげた。
「しかし、神話では縫界衛士は一人だぞ?」
ヘルガイトは肩をすくめる。
「それはきっとこのキミーネとやらが戦士として超一流だったんだろう。そうじゃなければ、縫界衛士はチームとして動く。そして全力で修復師を守る。そのほうが自然だろ?」
和美も静かに頷く。
「確かに、そうだね」
ヘルガイトの声は力強くなる。
「そこで、だ。荒野の修復師は俺がやるから問題ないとして、世界には修復師が存在しない、もしくは足りないことがあるんじゃないか、と思ってな」
和美の瞳が光る。
「朱雀町……」
「お、なんだ。思い当たるところがあるみたいだな。和美、その朱雀町ってのは?」
「私の故郷。大切な場所。裂け目が発生した場所」
ヘルガイトは頷く。
「なるほどな。ソメシノ。どうだ、和美とイザヨイと一緒に、その朱雀町の修復師になってみるのは」
ソメシノは少し俯く。
「私のような部外者がそのような大役をたまわってよろしいのでしょうか?」
和美の声が力強く響く。
「ソメシノさん。お願い。私と一緒に、やろ?」
イザヨイも笑顔で加わる。
「私からも、お願い」
ソメシノの瞳が揺れる。
「和美さん、イザヨイさん……」
卯月もそっと手を添えるように言った。
「私からも頼めるかしら? その裂け目が原因で、この子たち、帰る場所が曖昧なの。こういう形じゃないときっと、あの人は納得しないだろうから」
ソメシノは深く息をつく。
「もとより私は皆さんに助けられた身。それに、和美さん、イザヨイさんには心を救っていただきました。願われれば、喜んでお受けしましょう」
和美の声が弾ける。
「ソメシノさん! ありがとう!」
イザヨイもにっこりと微笑む。
「ありがとう!」
ヘルガイトは満足げに頷く。
「よし、話は決まったな。遠い土地へ旅なんかしなくても、ここでの旅は大いに役立つはずだ。準備ができたらいつでも呼んでくれ。全員で見送ってやるからな!」
ソメシノは深く礼をする。
「ありがとうございます」
卯月も穏やかに頷く。
「本当に、助かりました。ありがとうございます」
広間に温かな空気が流れ、昨日の重さは少しずつ消え、未来へ向けた小さな一歩が確かに刻まれた。
ヘルガイトは期せずしてスキアが行おうとしていた事を手助けします。
それは、地域限定修復師を広めること。そして、”壊れた”世界を修復すること。
いつかヘルガイトがスキアと会ったらどのような会話をするのでしょうか? 楽しみですね。




