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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38
第2章~和美とイザヨイ、二人の神童~

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034、桜散りゆく終末世界

AI作成、セリフ筆者。

ヘルガイトの屋敷の暖炉の前、ソメシノはまだ膝を抱えて震えていた。涙は乾く気配もなく、彼女の肩は小刻みに揺れている。

ヘルガイトがそっと近づき、低く声をかけた。


「どうだ? 落ち着いたか?」


ソメシノは肩をすくめ、かすれた声で答える。

「……はい。お見苦しいところをお見せしました」


クーが静かに微笑む。「そんなことない。むしろ空っぽじゃなくなった」


その言葉に、ソメシノは視線を落としながら小さく息をつく。

「……記憶が、戻りました」


ディルが少し間を置き、彼女を見据えた。「そうか。では、改めて聞こう。あなたの名は?」


「私の名はソメシノ。私がいた世界では“ソメイヨシノ”という桜がありました。私はその木を見て喜び、歌い、幸せになった者たちの祈りから生まれました」


ヘルガイトは小さく頷く。「なるほど。感謝が思いとなり形を成したわけだ」


ソメシノは微かに笑む。「その世界では、“神隠し”という現象がありました。それは、どこか違う世界へと通ずる裂け目に人が触れ、まるで隠すようにいなくなることからその名が付きました。私は、その裂け目を塞ぐ力があったので、それを人々のために使いました。神隠しがなくなり、人々は感謝しました」


ラジリーが肩をすくめ、軽く感嘆の声を漏らす。「へえ、いい話じゃない」


「しかし、神隠しが起きるのは一箇所だけではありませんでした。世界中に点在していたんです。私は世界を周り、一つずつ裂け目を塞いでいました」


ピーゼンがぽつりと呟く。「偉い」


「ですが、神隠しは一向になくなりません。ある時、私が裂け目を直すと、人々はこう言いました。『お前が遅いから神隠しがなくならないんだ』と」


トスクは目を伏せ、声を震わせる。「非道い……」


「それでも、私は人々を救うために裂け目を直し続けました。どれだけ罵声を浴びようとも、批難されようとも、心を閉ざし、ただ、淡々と直し続けました」


サキの目には涙が滲む。

「ソメシノさん……」


「一人、また一人。神隠しにあっていなくなります。そして、ある日、誰も見当たらなくなったのです。私は、自分が自分でいるために、裂け目を直し続けました。そして、その力も尽き、倒れたところを……皆さんに救っていただきました」


卯月はそっと手を差し伸べる。「ソメシノさん……。そんなつらい過去があったなんて……」


ソメシノは小さくうなずき、しかしどこか穏やかな声で言った。「私は、とっくの昔に壊れてしまった世界の穴を、少しずつ直しているだけの存在でした」


和美がその肩に手を置き、力強く言った。「そんなことないよ! 私たちの世界は壊れてないもん」


イザヨイも頷く。「うん! ソメシノさん、神話の修復師さんみたいに、バァーって裂け目を直しちゃったんだから」


ソメシノは目に涙をため、震える声で吐き出すように言った。「長い年月を罵声と批難で過ごした私にとって、この子たちの言葉は神にも等しいものでした。まだ、私を必要としてくれる人がいるんだ、と」


和美は目を見開き、力強く叫ぶ。「ソメシノさんが必要とか必要じゃないとか、そんなの関係ない! ソメシノさんがソメシノさんらしく生きてればそれでいいじゃない!」


イザヨイが肩を並べて言う。「ソメシノさん、もし”らしく”生きる方法がわからないなら、私たちと一緒に探そ?」


卯月も微笑む。「簡単に言ってくれちゃって、全くこの子たちは。でも、一緒に探すのは賛成。ソメシノさん。もしよろしければ、私たちと一緒に”らしく”生きる方法、探しましょう?」


ソメシノは頭を抱え、でもその瞳は光っていた。「全く……あなたがたは……。何度私を泣かせれば気が済むんですか」


ヘルガイトは微笑みながら肩に手を置く。「嬉しい時は、好きなだけ泣けばいい。そのほうがスッキリするもんさ」


ソメシノは深く息をつき、やっと笑顔を見せた。「……はい!」


その瞬間、屋敷の中の空気がふわりと温かくなり、裂け目の恐怖も遠のいたように感じられた。


ソメシノさんは、向こう側の世界で修復師のような事をしていました。

ですが、世界の裂け目に対して、あまりに人手が足りなかったんです。

世界は崩れ、終わりを迎えた。では、なぜ、彼女は存在し続けることが出来たのか?

もしかしたら、奇跡的に枯れなかった、”ソメイヨシノ”があったのかもしれませんね。

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