032、まずはお腹を満たしてから
AI作成セリフ筆者
広間には優しい光が差し込み、砂の床に淡い影を落としていた。
サクラはベッドから起き上がり、まだ少しふらつく足取りで席につく。
「えっと……お名前は?」サキが優しく尋ねる。
「先ほど、サクラと名乗れと言われました」
「サクラさんね。これ、よかったらどうぞ」サキは小さなお粥の入った器を差し出した。
「これは?」サクラは不思議そうに見つめる。
「お粥です。お口に合えばよろしいのですが……」
「ありがとうございます」サクラはそっとスプーンで掬い、口に運ぶ。
「……優しい味。すごく、ホッとします」思わず顔がほころぶ。
「良かった……! まずは少しでも食べて元気になりましょう。自分を考えるのはそれからでも遅くないです」サキの声に、サクラは深く頷いた。
イザヨイが小さく笑う。
「ヘルガイトさん、お米のどの辺が豪勢なの?」
ヘルガイトは腕を組み、にやりと笑った。
「この辺じゃ滅多に手に入らないからな。サキなりにおもてなしと労いを考えて出したんだろう」
和美も感心したように目を丸くする。
「サキさんすごいね」
粥を食べ終え、サクラは口元を拭いながら言った。
「ごちそうさまでした」
「いえ。どうですか? 少し動けそうですか?」サキが気遣う。
「おかげさまで、この中を歩き回るくらいは出来そうです」
「そっか。なら良かった」
卯月が声を張る。
「みんなー! ご飯できたわよー!」
和美とイザヨイも笑顔で立ち上がる。
「私たちもご飯だね」
ヘルガイトはにやりとサクラを見る。
「せっかくだから同席したまえ。賑やかだぞ」
「はい、そうさせていただきますね」サクラは少し緊張しつつも、嬉しそうに席につく。
卯月が根菜のソテーを差し出す。
「私が持ってきた漬物も一緒にどうぞ」
ディルが興味深げに覗き込む。
「お、漬物付きか。今日はなんの漬物だ?」
「きゅうりだよ。ぬか漬けって言うらしいんだ」
クーが注意する。
「ディル、もう少し塩分控えないとダメ」
ラジリーは舌鼓を打ちながら笑う。
「昨日は昆虫食だったから根菜のソテーは舌が鳴るわね」
トスクが不思議そうに訊ねる。
「それってすごく不満なんですか?」
ラジリーは笑って首を振る。
「逆よ。楽しみってこと」
ピーゼンも口を挟む。
「昆虫食も美味しいよ?」
コーエンは穏やかに言う。
「食べることができればそれだけで幸せですよ」
サキが笑顔で勧める。
「根菜のソテーはシンプルな分、素材の味をしっかり味わうといいわよ」
和美とイザヨイも静かに頷く。
「今日も食事ができることに感謝」
「感謝」
卯月は微笑みながら二人を見つめる。
「あらあら二人とも、すっかり食事の大切さを噛み締めちゃって。ウフフ」
ヘルガイトも嬉しそうに頷く。
「な? 賑やかだろ?」
サクラは周囲を見渡し、自然と笑みを浮かべた。
「はい、とっても」
ディルがぬか漬けを手に取り、サクラに向かって言う。
「サクラ、このぬか漬け、すごく美味しいぞ! お前も食べてみるといい!」
クーが横から注意する。
「寝起きにこのしょっぱさは堪えるからやめなさいディル」
サクラは小さく笑い、スプーンでひと口。
「……まあ! とっても美味しいですね!」
「だろう!」ディルは得意げだ。
クーはあきれ顔。
「あのしょっぱいののどこがいいんだか……」
サクラはふっと遠い記憶を思い出すように目を細める。
「この味、昔どこかで食べたかもしれません」
ディルは眉を上げる。
「ほう? 漬物にゆかりのあるお人か」
卯月が考え込む。
「それなら、農村出身とかかもね」
サクラは不安げに問いかける。
「あの……漬物にご飯を合わせる食べ方って変ですか?」
イザヨイは笑顔で答えた。
「全然変じゃないよ。私たちも昔やってたもん」
和美も頷く。
「うん、やってたやってた」
サクラは柔らかく笑みを浮かべた。
「その食べ方をしてたような、そんな記憶があります」
和美の目が輝く。
「そうなんだ! もしかしたら私たちと縁があったりして!」
サクラは微笑む。
「うふ、でしたら運命的な出会いですね」
広間には、砂の居城に新しく生まれた小さな日常の温もりが満ちていた。
サクラさんも早速ヘルガイトたち荒野組に巻き込まれてますね。
荒野の殺伐とした雰囲気とは対象的な平和な空間。これに飲まれるともう荒野には戻れないかも?




