031、記憶喪失の女の人
AI作成、セリフ筆者
南西の裂け目の前に立つ一行。砂の荒野に風がそよぎ、裂け目の縁がかすかに揺らいでいる。
クーが眉をひそめる。
「裂け目確認。悪意はない。敵意もない。あるのは……責任感と喪失?」
ディルは首をかしげる。
「はっきりとは分からないのか?」
「うん……何かの意志を感じる。飛び出したものをむやみに攻撃しないほうがいいかも。反発の可能性あり」
和美は小さく頷く。
「分かった」
静寂が続く。裂け目は揺れながらも、何も吐き出す様子はなかった。
そして、突然。
不意に、裂け目の中から何かが飛び出した。砂煙の中に人影が倒れ込む。
「人……?」イザヨイが小さく息を漏らす。
倒れていたのは、見知らぬ女性。身体は衰弱し、砂に半ば埋もれるように横たわっていた。
クーが慎重に言う。
「だいぶ衰弱してる。ヘル、修復急げる?」
ヘルガイトは眉をひそめつつも迅速に裂け目の修復を開始する。
「任せとけ。その代わり次回調査は少し早まるぞ」
裂け目が落ち着くと、ヘルガイトは女性の元へ駆け寄り、ディルとともに安全な場所まで運ぶ。
「ふむ……ディル、連れて帰れるか?」
「無論だ」
居城に戻り、ベッドに寝かされた女性はしばらくして、ゆっくりと目を開ける。
和美の声がそっと響く。
「あ、気がついた」
女性は目を大きく見開き、困惑した声でつぶやく。
「――ここは?」
和美は微笑みながら答える。
「ここはヘルガイトの砂の屋敷。あなたは、なんていうの?」
女性は首を傾げる。
「ええと……あれ、私……なんて言うの?」
和美は少し戸惑いながらも声をかける。
「分からないの?」
「はい……」
和美は深呼吸して立ち上がる。
「うーん……私じゃ分からないから、ちょっとみんな呼んでくるね!」
女性は小さく微笑む。
「ありがとうございます」
ラジリーが駆け寄り、好奇心をのぞかせる。
「本当に何もわからないの?」
女性は静かに頷く。
「はい。私は一体何者で、どこから来たのでしょうか……」
ディルは腕を組んで冷静に見つめる。
「記憶喪失だな。それも部分的ではなく、完全な」
クーも確認する。
「確かに、空っぽだ」
ピーゼンが首をかしげる。
「私たちみたいに存在が不確定だった?」
トスクは首を横に振った。
「違うかと。気配は弱まってますが、私たちとは異なる」
コーエンも穏やかに問いかける。
「本当に何も思い出せませんか?」
女性は小さく息をつく。
「……すみません」
ヘルガイトは無造作に腕を組みながら提案する。
「そうか。じゃあ、とりあえず“サクラ”と名乗っとけ。思い出したら変えればいい」
女性は初めて安心したように微笑む。
「ありがとうございます……どこか、懐かしい響きに感じます」
イザヨイは小さく笑みを浮かべ、ふと空を見上げる。
「もしかして、桜の木に関係してるのかもね」
和美は手を差し出し、温かく声をかける。
「よろしくね、サクラ!」
女性も力強く頷く。
「はい、よろしくお願いします」
砂の居城に、静かながらも確かな新しい存在の気配が漂い始めた。
突然出てきた謎の女性。一体何者なのでしょうか?
わかることは、サクラという名前が懐かしいことと、責任感と喪失を抱えていること。
ここから考えられるのは?




