030、二人の神童、相対す
AI作成
砂の居城の広間には、午前の柔らかな光が差し込んでいた。
広間の砂は二人の影を映し出し、まるで決闘の舞台のように静寂を包む。
「イザヨイ……今日は、一度本気で相対してみたい」
和美の声は落ち着き、その瞳には迷いがなかった。
イザヨイは微笑む。
「いいよ。私も楽しみにしてたんだ」
ディルは二人の横に立ち、腕を組んで見守る。
AAAの視線で二人の微細な動きを逃さず捉えつつも、口を挟むことはない。
二人は自然と正面を向き合い、間合いを取る。
数秒、いや数分にも感じられる沈黙。広間の砂も、まるで呼吸を止めたかのように静かだった。
イザヨイの眼が鋭く光り、全身のラオが微かに揺れる。
刹那、彼女は超神速の抜刀術を発動する。刃は瞬間に伸び、和美の胴体を狙う。
和美の瞳には、刃の軌跡は映らない。だが、数日の修練で培った勘と予測が体を動かす。
刀を振り、刃を迎撃する。空気の微かな抵抗、床の砂の振動、呼吸の変化――すべてを瞬時に読み取り、刀は正確に斬撃の軌道を受け止めた。
刹那の間、二人の間に見えない力のやり取りが交錯する。
「……っ」
和美は深く息を吐き、刀を納める。同時に、イザヨイも後方で納刀し、全ての動作を静かに完結させた。
広間には再び、静かな空気が漂う。
二人は顔を見合わせ、互いに微笑む。
「すごい……イザヨイ、全然速かった」
「和美も、刃を正確に受け止めた……やるね」
ディルは肩を緩め、目に微かな笑みを浮かべる。
「ふむ……これは感慨深い。二人とも、よくここまで成長したものだ」
砂の居城に、静かだが確かな達成感が満ちる。
日常の一瞬、しかし二人の実力と信頼を確認した、かけがえのない時間だった。
二人はこの時まだ9歳。でも、実力は超一流。恐るべき才能のぶつかり合い。
一人なら堕落していたかもしれない。潰れていたかもしれない。
でも、二人だったから、ここまで登る事ができた。それは、かけがえのない友の証でもあった。




