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第三話「ガッコウニュウガク!」

「……なぁ、アボガド」


「ん?」


「さっき言ってたよな。スライムって街中のゴミを食べる、益虫みたいな存在だって」


「うん。イムもそうだよ」


 俺は隣を歩くイムを見る。


「…………」


「ンルぅ?」


「こいつ……ゴミ食って生きてんだよな?」


「そうだね」


「きたねぇ!! やっぱきもちわりぃ!!」


「いや、衛生面は特に問題ないよ」


「そこじゃねぇよ!」


「ちゃんと分解して栄養にしてるから、周囲を汚したりもしないし」


「そういう問題じゃねぇんだよ! ゴミ食ってるっていう事実が嫌なんだよ!」


「……まぁ、感覚としては確かにキモいかも?」


「だろ!?」


「ンルぅ!」


「お前はなんで嬉しそうなんだよ!!」


 イムは楽しそうに俺の足元を跳ね回っている。


「親分〜!」


「寄ってくんな!」


「ンルぅ!!」


「だからその語尾やめろ!!」


 何でこんなやつ仲間になったんだよ……


☆☆☆☆☆


「明日学校か……」


 ふとめんどくさそうにアボガドが呟く。


「学校あるんだなそりゃそうか」


 ベンチに腰掛けてた俺はそう呟く。イムはその隣で同じような仕草をする。


「チキュウも前に学校へ通ってたのかもね」


 ふと気づいたようにアボガドが言う。


「そう……なのかなぁ。まぁ今となっちゃどこの国の学校かも不明だろ」

 

 苦笑まじりに俺が言うとアボガドは少し真顔で俺を見たあと言う。


「学校、また入り直せば?どうせ記憶もないんだし前の学校探すより早くない?」


「学校に行くのはもう決まってるのね……まぁする事もないし良いけどさぁ……」


 そんなこんなで学校に入学する事になった。

というか転入じゃねぇのかこの場合。まぁ細かいことはいいか。


☆☆☆☆☆


 目の前には白い人工的な匂いのする重い教室の扉がある。

 それを静かに開けるのは俺だ。チキュウだ。


「新しく転入……する事になった。チキュウ・ジンだ。

わからない事だらけだからその……よろしく」


 教卓の前でそう言ってから教室全体を見渡す。

 明らかに人間ではない生命体も混じっていて少し驚いたが、クダモノワールドだし……ね?


「うあおぉぉぉ!!」

「転入生きたああああああ!!」

「これはアツイ!!」


 思ったより好評のようだ。

 その時俺の肩から現れたのはイムだ。

 おい……


「それとイムですンルぅ!親分の仲間ですンルぅ!」


「うおおおおお!!」

「か、可愛いい!!」


 はぁ……めんどくせぇ。


☆☆☆☆☆


「1時間目は社会科です」


 ふーん……

 1番後ろの窓側の席で俺は外を見ていた。


「では、ジンさん」


「え?」


 ふと名指しされて慌てふためく。


「クダモノワールドの建築物はどう造られてますか?」


 は?んなもん簡単だろ……建築物なんて鉄とか木だろ。


「鉄とか木だろ」


「話聞いてました?スペシャルシードを植えて水をやり念じるんです!」


「スペシャルシード?念じる?」


「はい。その行為を実行する人を念士と言うんですよね。絶対話を聞いてなかったですよね……」


 クラスに笑いが起こり、先生は呆れる。


 不気味すぎるわ……


「こんなんでやっていけるのか?」


 俺は窓を見て不安そうな顔をした。


 ーーその時だった。


 教室の真ん中あたりで警報が鳴るーー


《警報:ナイトメア・超》


 その文字を見た先生と教室中の生徒がいきなり騒がしくなる。


「ナイトメア・超!?」

「ヤバいよ何でこんな時に……!」

「S級ヒーロー5人も来れる?」


 S級が5人?超ってそんなに強えのか……


 俺はそう冷や汗をかいていたが、そんな俺に気づいたのか同じ教室のアボガドが俺の席まで来た。


「まずい……超か。しかも校庭に来るなんて」


 俺の耳元でヒソヒソと話してきた。


 くすぐってぇ……


「てかよ。なんかあそこ見えねぇか?」


 俺は校庭に現れた黒い巨人のような"影"を指差す。


「間違いない!あいつがナイトメア・超だ!」


 アボガドの声に反応しクラス中が窓の外を眺めていた。


「ナイトメアって本型じゃねぇのか……?」


「そんな共通点はないよ。ナイトメアは多種多様なんだよ」


 アボガドはそんなこと言ってる場合かみたいな口調でそう俺に教えてくれる。


「てか、あのデカい影の巨人の前に立ってる奴いねぇか?」


「本当だ!あの制服……イチゴ中学校じゃん!」


 イチゴ中学校?


 校庭を凝視すると、確かに薄ピンクの女子制服を着たチェリーレッド色のツインテールのような髪型の女の子がいた。ツインテールとは言っても特殊で、丸い団子状の膨れ上がった部分が肩上部にあってそこから細長く髪が伸びるチェリーみたいな髪型をしている。


「何だあいつ!?」


 俺はその変な髪型に思わずそう言う。

 隣を見るとアボガドは汗をかいていた。そして一言。


「あの子……死ぬね」

 



 

次回予告


チキュウ「死ぬってマジ?」

アボガド「いやそんなの言えないよネタバレになるでしょうが!」

イム「今回あんまりイムは登場できなかったンルぅ」

チキュウ「お前は黙ってろ!てか、この会話メタすぎるだろ……」


次回タイトル「マホウショウジョ」

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