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地の底のランカー

──廃区画の一角。


「“裏ランカー”って知ってるか?」


フードの男がそう言ったとき、

俺の中で何かが引っかかった。


都市の公式ランクとは別に、

地下で暗躍する非公認ランキング──


それが、“裏ランカー”。


 


「こっちじゃな、ルールなんて関係ねえ。

力だけが評価基準だ」


男はフードを脱いだ。


ボサボサの銀髪。

痩せた体つきだが、雰囲気が異様に重い。


名前は──リード。


裏ランク“21位”だという。


 


「お前みたいな“表のS”が来ると、上がざわつく」


「上?」


「“裏の十傑じゅっけつ”。裏ランカーの頂点どもだ」


なるほど。


都市の秩序を牛耳る“五王”とは別に、

裏ではこっちの奴らが回してるってわけか。


 


「で? 何の用だ」


「テストだ」


リードが、無造作に手を上げた。


次の瞬間──


ズズズズズッ!!


地面が割れた。


そこから現れたのは、

触手のような腕を持った“融合魔獣”。


人工合成された、管理外の実験体。


 


「この子、俺の"飼いペット"でな」


「強いのか?」


「そこそこ。

 ……でも、こいつを潰せないなら──“裏十傑”に会う資格はねえ」


 


──やれってことだな。


 


「喰らうだけだろ、いつも通り」


俺は歩み出た。


 



 


融合魔獣は、

複数の魔物の特徴を持つ。


スピード、硬度、自己再生。


そのどれもがA級魔獣クラス。


だが。


 


「全部──いただきだ」


【神気鎧装】【強化骨格】【断裂跳躍】


三連同時展開。


 


ズガァァン!!


跳躍と同時に、

触手をまとめて吹き飛ばす。


 


次の瞬間、

腹部を貫通させ──

全魔素吸収を発動。


──ズズズズズッ!!


抵抗できるはずもなく、

融合魔獣は黒い塵へと還った。


 


【スキル:再生因子(微)】【スキル:触手展開(封印状態)】

取得完了。


 


「……チートだな、お前」


リードが笑った。


「面白れぇ。

 紹介してやるよ、十傑の一人をな」


そのときだった。


背後から、ひときわ異質な“視線”を感じた。


空間がひび割れたような──

ぞくりとする、違和感。


(……なんだ、今の)


 


「こっちの“世界”に慣れてねえと、

 ああいう視線にやられるぞ」


リードが肩をすくめた。


「たまに変なのが混ざるからな、外から」


 


──外から?


リードの言葉は、

どこか妙な引っかかりを残したまま、

空気に消えた。


 


(……気になるな)


だが今は、

“喰うべき相手”がいる。


この都市の裏側で──

俺はさらなる頂を目指す。


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