聖都ヴァルディア潜入
聖都ヴァルディア──
それは、この世界における最大の聖地。
高くそびえる白亜の城壁。
黄金に輝く大聖堂。
外から見れば、まるで"神の都"のように見えるだろう。
だが、俺の目に映るのは違った。
(ただの、金と権力と偽善の塊だ)
──
城門を抜け、市街地へ入る。
目に飛び込んでくるのは、
無数の"祝福証明書"を首から下げた民衆たち。
証明書を持たない者は、
犯罪者として扱われ、容赦なく排除される。
「祝福なき者に、人権はない!」
そんな横断幕すら掲げられていた。
(……ここも腐ってる)
民衆は支配され、
僧侶たちは金と権威に酔い、
貴族たちはその上で肥え太っていた。
──
俺は人気のない路地裏へと入り込んだ。
まずは情報を集める。
標的は、教皇庁本部。
だが、いきなり突撃しても、
さすがに守りは固いだろう。
(……幹部クラスの誰かから引きずり出すか)
そのためには、裏ルートを使う必要がある。
情報屋、密輸商、地下組織──
聖都の闇に潜む連中から、
教皇庁の内部情報を引き出す。
それが、最速で中枢へ辿り着く道だ。
──
夜。
裏市場と呼ばれるスラム街に到着する。
そこでは、
金で何でも買える。
薬物、武器、奴隷──
そして、情報も。
(……交渉は得意じゃねぇが)
力で黙らせるのなら、簡単だ。
俺は、裏市場の暗がりに身を潜めながら、
次なる標的を探し始めた。
「──教皇庁に近い奴。そいつを引きずり出す」
静かに、
新たな復讐劇の幕が上がる。




