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続・命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
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井戸を掘る人

龍に乗り、2(ふたとき)ぐらいでしょうか? ずっと、空を飛んでいます。地上から龍を見上げ、何か叫んでいる人もいます。やがて、見渡す限り、真っ黒に焼け焦げた大地が広がってきました・・・。

赤龍、あなたの仕業ね!

「あそこじゃ!」

座主様が示す方向、十人くらいの人が手を振っています。


赤龍、そこに舞い降りると、皆を下すが早いか、金の指輪にするりと飛び込みます。後は、何を言っても黙ったまま・・・。


座主様曰く、鳳凰が舞った癒しの力を利用して、井戸を掘って祈りを捧げれば、地に活力が戻る可能性があるそうです。へ~、知らなかった・・・。


「この辺りかい?」

「はい、恐らく15~16歩分掘れば水が出るかと・・・」


座主様、四隅を(はら)い清めて廻ります。その後、祭祀を行い井戸掘りです。まずは、6人が大きな円の形に穴を掘り始め、土嚢(どのう)を作ります。


人の背丈ぐらい掘り下げれば、次は、5人で、そして4人で、と円を段々小さくしていきます。合わせて、円の内側に土嚢と石を積み上げます。


余った土は井戸の背後に盛り、土嚢(どのう)で壁を作ります。掘り始めて半日ぐらい経ち、かなり深い場所を掘っていると、


「水がでました・・・」

泥水を汲み、水が枯れないか確認できたらあと少しです。


水の周囲を石で囲み、湯の花、炭や砂利を敷き詰めた濾過(ろか)用の袋を沈めます。最後に、石を放射線状に並べ清めを行い、井戸が完成しました。


「さて、ここからが本番だよ!」

座主様、私を見てニヤリとします。うっ、その笑い方、前にも見た事が・・・。


・・・・・・


話は、昨日に(さかのぼ)ります。アルシュ王宮で、国王が重臣や貴族から新年の年賀を受けていた時の事・・・。


「はい、ちょっとごめんよ!」

順番待ちに割り込んできた、老婆、後ろには藩王ルドラさん。そして、すたすたと部屋の真ん中迄歩みを進める。それを見た衛兵たち、老婆を取り囲むも・・・。


「構わぬ!」

国王の一言で、老婆は解放されます。


「久しいの、王よ!」

老婆の一言に驚く一同。なんたる、口の利き方。ざわめく重臣たち。


「陛下、どうかご無礼をお許し下さい・・・」

「ふん、親子揃って何の用だ?」

「まだわからぬか?」


ルドラさんが謝罪するも、陛下の言葉に座主様一喝! そして、いつまでもこんな奴に忠義をたておって、と呟きます・・・。


「すぐ、パルバクに勅使を送り、井戸掘りの許しを得よ! 鳳凰の働きで、癒しの力が大地に戻っておる。この機会に、地主神の祈りを大地に届けるのじゃ!」


座主様の言葉に、ポカン、とする重臣たち。


「鳳凰は復活の象徴、龍が焼き尽くした炎を土に還す。女神も必ずや微笑む」

「創世神話か?」

そうじゃ、新年の三日間が勝負じゃ!と答える座主様でした・・・。



次回、祓い、です。

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