訓練校裏庭
舞台は、試験が終わったトゥルク訓練校裏庭です。裏庭が陥没している、と生徒から連絡がありました・・・。
「まあ、これはどういうこと?」
奥様、駆けつけてみれば、裏庭にぽっかり穴が開いています。ちょうど枯れ井戸跡でしょうか? 穴がどれほど深いのかわかりません・・・。
「しばらく裏庭は立ち入り禁止ね・・・」
実家にも連絡入れないと・・・。奥様、少し頭が痛い状況です・・・。
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翌日、早速連絡があり、役所から人を派遣するとのこと。午後には、もう工人を率いたトゥルクの役所の方がお見えになりました。
「実は数年前に、古井戸を埋めたのです。ちょうどその辺りが陥没したようです・・・」
「いや、これは何とも・・・」
奥様の説明を聞きながら、恐る恐る穴の様子を確認するお役所の方・・・。
「確かに、地下水の影響で地盤が崩れることもあります。中の様子を確認して二度と起こらないよう埋め直しましょう!」
今日は、訓練校休みで良かったですね、とお役所の方はおっしゃいます・・・。
「まったくだわ。それにしても、この陥没と龍巫女さん、関係があるのかしら?」
「え? 今、何か・・・?」
あ、いや、こちらの事です、と話を濁す奥様。
(ここで龍巫女先生が突然消えた、と生徒から言われびっくりしたわ。まさか、穴に埋まっている、って事ないでしょうね・・・?)
数人の工人が、担当者の指示でてきぱきと作業をします。周りの補強をしながら、穴の中へ降りていきました・・・。
「タンタさん、大変です。来てください!」
穴の中から、工人達の声。慌ててお役所の方が入ります。奥様、まさか心配していた事が現実になったかと、気が気じゃありません・・・。
・・・・・・・
タンタと呼ばれた人、周りを見回します。深い空洞があり、石壁で仕切られていたようです。遺跡跡らしく壁画もあります。大王降臨とそれを見守る動物・・・? しかし、激しく壊れています・・・。
瓦礫を避けて暫く進むと、地底湖でしょうか? 水が溜まっており、その向こうには洞窟が見えます・・・。
「地底湖はそのままにして、石壁の内側だけ埋めましょう」
岩棚に残っている浮彫らしきものを見ながら、工人達と話し合うタンタさん、
念のため遺跡の記録は残すか・・・。そう思い、地底湖に背を向けた時でした。
ザッパ~ン!
突然、何かが地底湖から飛び出てきます! 魔物か? 洞窟にいた人達は、一瞬身構えます。しかし、よく見ると、それは人の姿・・・。そして・・・、
「え・・・? わ、私、ラシルと言います。ここは何処でしょう? 貴方は誰・・・?」
次回、代償、です。




