金龍の誘い
薄暗い闇の中、金龍、静かに語り出します・・・。
「時間がない、よく聞け。この地の上に、天空がある。しかし、それとは別に虚空という何もない世界がある。儂は、その虚空を生み出す源。その後、鳳凰がその虚空に命の種を生み出す源となる・・・」
(え? いきなり難しい話・・・)
「儂が目覚めれば、いずれ新たな虚空を生み出す旅にでるだろう。それ迄に、もしお前が永遠の命か生まれ変わる命を選ぶ時が来たら、今度は永遠の命を受け取って欲しい・・・」
「・・・?」
「そして、ラシル、儂と共に虚空への旅に出て欲しい。龍を昇天させたお前が、鳳凰となれ!」
(私が鳳凰? 何それ・・・)
・・・・・・・
同じ頃、ここは訓練校、期末試験の真っ最中・・・。
突然、タマキちゃんが立ち上がり叫びます、
「龍巫女先生、待って! お星様になるのはまだ早いの!」
「あ~、タマキ君、試験中だ、静かにしなさい」
試験監督の元護衛隊長さん、注意します。
するとタマキちゃん、そのままふらりと崩れ落ちます・・・。
ガタン!
「キャー!」
「タマキ、ちょっと、どうしたの・・・?」
駆け寄るミサトちゃん、騒然とする生徒達・・・。
・・・・・・・
同時刻、ここはパルバク王国ヴィラハ王宮。
ザルード大公は退位を願い出て、娘婿殿にその地位を譲ります・・・。
今日は、宮殿にて王様にその報告、そして若きアルージュ卿とシュマさん夫妻が、王様に初めてお目通りです。
「あっ!」
指輪に異変を感じ、突然ラシル先生の顔が思い浮かぶシュマさん、思わず声が出ました・・・。
「シュマ、どうした?」
「いいえ、何でもないわ。大丈夫・・・」
アルージュ卿に問われ、気を取り直します。王様への謁見の間はすぐそこです。扉の前、シュマさんは心の中で祈ります。
(龍神様、ラシル先生に何卒お力添えを・・・)
・・・・・・・
ここは、アルシュ国の地下牢、
井戸の横穴で金を採掘していた人達、突然大量の湧き水に見舞われます。
「皆、何も持たずに上まで上がりな、命が一番だよ!」
「座主様も、早く!」
皆と急いで地下牢まで戻る座主様、呟きます・・・。
「さて、龍巫女様、試練の時が来たようだね・・・」
・・・・・・・・
ここは、アルマー村、お母様が営む宿の広間、聖仙様とガウリアさんがお茶を飲んでいます・・・。
「ガウリアさん、あんた、儂と一緒にならんか?」
「おや、もう呆けたのかい? 年はとりたくないものだ・・・」
・・・・ふぉふぉふぉ・・・くゎくゎくゎ!
次回、試練の時、です。




