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続・命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
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グラナート大公妃

大公殿とリムさんが部屋を出た後、御付きの人たちもいったん退出します。それを確認した大公妃殿、すっと立ち上がり私に向かって礼をします!


「この度は、シュマの我が(まま)に付き合って、巫女舞をご指導いただいたこと、また、危ない所を救っていただき、是非お礼を述べたいと思っておりました。娘の母として礼を申します・・・」


「あわわ・・・」

慌てて立ち上がり、いえこちらこそシュマさんは私の命の恩人なのです、といい淀む私・・・。


「命の危険を救ってもらったのです。ましてや巫女舞の導師殿に。命をかけて償うのは当然の事。それが、当グラナート家の家訓でもあるのです」

「・・・」

美しい大公妃殿、少しためらう素振りをみせたあと、言葉を続けます。


「あの子が、貴族子弟校に馴染めないのを憂いておりました。でも、訓練校に変わって楽しそうに通っていたと聞き、母として心から安堵したのです・・・」


貴族の娘なら、政略結婚は当たり前。でもその前に、(わず)かな間でも楽しい学生生活を過ごさせることが出来てよかった・・・。大公妃殿、そっと目頭を押さえます。


「訓練校では、シュマが従姉達に仲良くしていただいて。やはり女神様のお導きかしらね」

「・・・?」

えっ? 私は、大公妃殿と向かい合ったまま立ち尽くします。


「さあさあ、龍巫女様もお困りですよ」

奥様の言葉で、席に着く大公妃殿。えっと・・・。


「辺境地から、わざわざ貴族子弟校でないトゥルクの訓練校へ、それもカヌマ殿の肝いりなのですよ。調べれば分かります」

平然と答える奥様。もしかして・・・?


義姉様(おねえさま)は、元気に過ごされておいでかしら?」

大公妃殿の問いにお手上げです。ああ~、双子のお母様が元王妃様なのご存じなのですね・・・。


・・・・・・


その後、部屋中に女性達の華やか笑い声が響き渡ります・・・


「まず、吟遊詩人の話かしら?」

「その後は、訓練校入学式での龍出現?」

「いいえ、その前にまだありますの。昨年、西の国境でザムに一泡吹かせた話はご存じ? あれに龍巫女様が(から)んでいるらしいの。 さあ、正直におっしゃい!」


奥様、もしかしてお茶で酔っぱらってしまわれたのかしら?


「まだ、終わりませんのよ。最新情報では、なんと、龍に乗って天界の湖で水遊びに興じていたとか・・・」

「まあ!」

「おほほほ!」


私の噂話に、大公妃殿は涙を流して笑っておられます。私も笑うしかありません。楽しい会話の後、再会を約束して私達は大公邸を辞しました。



私達が楽しい会話に興じていた頃、リムさん、大公殿と双六で熱戦を繰り広げていたとか・・・。

次回、武官イルーガの狂気、です。

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