ミタマ商店
久しぶりに訓練校に戻った私、ミサトちゃんとタマキちゃんに呼び止められます・・・。
「龍巫女先生、お帰りなさ~い!」
ああ、これなのよ。今朝の事などすっかり忘れ、私は二人の言葉に癒されます。
「あのね、龍巫女先生が、龍に乗って天界の湖で水遊びしていた、って皆が噂しているの~」
「こら、タマキ!」
「・・・」
えっと、私の新しい伝説が増えたのね・・・。
「あの、そうじゃなくて、商店名が決まったので・・・」
ミサトちゃんがさりげなく話題を変えてくれます。ありがとう・・・。
「それで、ミタマ商店にしようと思います」
「ミタマ・・?」
そうね、何とかキングよりいいわ・・・。
「ミサト姉様のミ、タマキのタ、そしてマリーちゃんのマ!」
「マリーちゃん?」
タマキちゃんの言葉に首をかしげます。
すると、建物の陰からこちらを伺っている女生徒。
龍の生贄を、シュマさんに代わってもらった子だそうです。あのねえ・・・。
「はじめまして、マリーと言います・・・」
「よろしく。お仕事手伝ってくれるのね、ありがとう!」
「うん、うちのお父さん、林業組合・・・」
あら、ちょうどいいわね。頑張ってね! 三人を励まします。
そこへ、元護衛隊長さんが通りかかります。
「あ~、ミサト君、タマキ君。商店ごっこもいいが、君たち狩人にならないか?」
「狩人なる~!」
そうか! その言葉にうれしそうな元護衛隊長さん・・・。
すると、そこへ奥様がやってきます。
「狩人なんて、暇な時に出来るわよ。商売は、ごっこ、じゃないの。大事な生徒の将来を惑わせないで頂戴!」
奥様に一喝され、すごすご引き下がる元護衛隊長さん。
あの、奥様、もう少し言い方を柔らかく・・・。
・・・・・・・
長い一日が終わり、下校時間です。ミサトちゃんとタマキちゃんは、商店登録の打ち合わせをしてから帰ります。するとそこへ一人の男子生徒が・・・。
「あの、ミサトさん、タマキさん、ちょっといいかい?」
そういって取り出したのは、六輪荷車の模型でした。この方が、組み立て加工を専門にしている編入生ね。
「模型を作ってみた。それで “びよ~ん” のつけ方を教えて欲しくて・・・」
にこやかに話す編入生君。あら、気のせいか、タマキちゃんと話す時がうれしそう?
編入生君、背も高いし、二人並ぶとお似合いね。そんなことを考えていると、はっ、と気が付きます。 ダメ! だってタマキちゃんは・・・。 ああ、禁断の恋? でも言えない・・・。
「龍巫女先生、さよなら!」
「はい・・・」
ぼ~っとしている私を残し、三人仲良く帰っていきました・・・。
次回、武官イルーガ、です。




