商店準備
翌週、トゥルクの役所で商店設立の方法を確認してきました。従業員は、ミサトちゃんとタマキちゃんだけなので、簡単な申請で済みそうです。
「ミサトちゃん、タマキちゃん、まず商店名を考えてね」
「ミサキング~」
「あんた、自分の名前は入れないの?」
「え~、入れたら変だよ。タマ・・・」
「・・・バカ! キングをいれなきゃいいでしょ!」
少し顔が赤いミサトちゃん、え~っと、二人の掛け合いに巻き込まれないよう進めます・・・。
「それから、仕事の内容を簡単に説明出来るようにしてね」
「”びよ~ん” を作って売るの~!」
「・・・もう少しかっこいい商品名にしてみたら?」
「う~」
子供達は、初めての作業なので、なかなか考えがまとまりません。
「商品名、決まった! 龍巫女の涎」
「バカ! ダメに決まっているでしょ、そんな名前!」
「ぶ~」
ミサトちゃん、突っ込みありがとう。もちろん却下します。まだ時間があるからゆっくり考えてね、とお願いしておきます。それから、二人にこれから行う仕事の計画表を作るように頼みます。
「まず、挿し木にするねばねばの木の枝を森へ行って取ってくることでしょ、それからどんな条件で育てたらいいかを確認して・・・。そして、 ”ねばねばの木” から、どうやったら” びよ~ん” が作れるかを猿王さんに習ってね・・・」
猿王さんから、”ねばねばの木” も ”びよ~ん” の権利も子供達のものでいいと了解を得ています。それから、林業組合の方に来てもらい、意見を伺います。
「この辺りでは見かけないですね。恐らく南の国が産地だと思われます。いくつか条件を変えながら挿し木を育てて、その結果をみて栽培候補地を選びましょう・・・」
荷車の改良案は、組み立て加工の研究をしている編入生に任せることにしました。タマキちゃんとミサトちゃんの案を訓練校で買い取り、そのお金を商売の元手にします。
一方、女生徒達に、巫女舞も教えることになっています。シュマさんの場合と違い、舞を初めて習う方がほとんどです。授業では、皆のやる気も違います。舞に興味を持つにはどうしたら良いか、毎回頭を悩ませ手探りで教えていきます。
そして、舞を教える一方で、二人の相談にも乗りつつ、教育会議で話す内容をまとめます。街道沿いは、秋風にたなびく豊かな実りが収穫を待ちわびています。それを横目に見ながら、私はバーキルを目指して出発しました・・・。
次回、教育会議、です。




