遺跡
翌日、奥様からご実家へ連絡を取ってもらい、返事がくるまで丸一日かかりました。その間は、別の作業を続けていたのですが、学者先生がふと思い出したように私に話しかけます、
「昨日、話が中断される間に言っておっただろう、その・・・」
「はい、神々の離宮ですね」
「ラシルさん、貴方どこまでその話を知っておるね?」
学者先生、他所を見ながら私に尋ねます。
「いや、それ以外は何も。森のどこかにそれを記した碑がある、程度しか知らないです」
「ああ、それなら良い。だが、その話についてはそれ以上興味を持たぬほうがいい・・・」
何やら訳がありそうです。でも、遺跡にそれ程興味はないので、分かりました、とだけ答えます。
その日の夕方、石の周囲を歩幅2歩、深さ2歩掘る許可が、奥様から出ました。
「辺りに影響がでないよう、補強をしっかりお願いしますね」
ということで、明日から発掘が開始されます。
・・・・・・・・・
翌朝、あいにくの雨で作業は保留、午後になって雨が止んだところで作業が開始されました。周囲2歩の範囲で、石の周りを少しずつ試し掘りしていきます。
「先生、出ました!」
何やら木片が出土したらしいです・・・。掘り出した土も揮いにかけられます。作業はさらに慎重に進められるようになり、夕方、作業が終わる頃には、皆さん汗や泥まみれでした・・・。
翌日以降も作業を続け、もう何も出ないとなったところで、今度は石の周りを掘っていきます。少し掘ったところで、石の周囲に模様が刻まれているようで、そこから作業は再び慎重になります。
私は、最初の1~2日でもう飽きてしまい、朝、昼、夕方のみ現場に顔を出すことにしました。後は、仕事をされている先生方に混ざり教職員の控室で作業をしたり、聖仙様に教えてもらった修行を続けたりの日々。でも、時間が余って退屈でした。何処にも出かけられないのはつらいの・・・。
ある日、助手のフロリアさんが控室まで呼びに来ました。現場に行くと、学者先生困っています。
「石の周りを掘り進めると、途中で大きな岩にぶつかってこれ以上掘れんのだ」
そこで、許可をもらった深さ2歩分までは、この大岩ごと掘り崩す許可をもらいたい、とのこと。
「残念ながら、これ以上は掘る許可を出せません」
私は、そう言って学者先生にお断りをします。
すると、学者先生、むっとした表情でこちらを睨みつけます・・・。
学者先生、想定外の困った状況に、まさかのダメ出しです。何やら一波乱ありそう・・・?




