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38:自責の思い

ウィル様は続けた。


「さっきは、咄嗟の判断でおまえをここに連れ帰ることができた。

けれど、いつまでも匿うのは難しいだろう。

『猫に不審な点はなかった』と俺が報告しても、陛下はあの様子だ。

再調査を命じるかもしれない。そうなりゃ、原因がバレて殺処分、なんて可能性も出てくる」


「殺処分……」


私は唖然としながらも、そのセリフを繰り返す。

思考が上手く回らない。


気がつくと、身体が小刻みに震えていた。


ウィル様はそんな私の隣に座り、そっと背中を叩く。


「でも、ま、心配するな。おまえには、俺もルド様もいる。

何かあれば必ず、なんとかするから。

正直、おまえがあそこでルド様を庇っていなきゃ、俺が咄嗟に剣を抜いていたかもしれねー。

だから、ルド様を守りたいっていうおまえの気持ちは十二分に理解できるんだ」


そして彼は「ありがとな。俺の友達を、守ってくれて」と続けた。


そう言葉をかけられた瞬間、胸がギュッっと掴まれたような苦しさを覚えた。


「ルドルフ様を守った」なんて、ウィル様は言ってくれたけれど、それは違う。

私が下手に彼を庇ったせいで、私は陛下に怪我をさせてしまったのだ。

それが、ルドルフ様と陛下との関係にさらなる溝を生じさせるであろうことは、もはや明確だ。


ルドルフ様自身は何もしていないので、今回の容疑自体は晴れるかもしれない。

だけど、クラウス陛下が向けていた、憎悪を含んだ眼差し。

彼の怨恨にも似た感情が、今後のルドルフ様に、良いように働くはずがない。


私は、なんとかしたい。

ルドルフ様の傍で、彼を支えたい。

なのに物事は、それとは逆の方向に進んでいこうとしている。


私は、呪いが効きにくい体質?

私の魔力は防御に全振りされている?


そんな能力、私にとっては不必要だ。

自分だけが無事であっても意味がない。

大切な人の一人も守れないのなら、こんな力、あったってなんの役にも立たない。


悔しくて顔をベッドに埋める私を、ウィル様は黙って撫でていた。


「……とりあえず、今日はこの部屋にいろ。

おまえの調査が長引いている、ということにする。それなら誰も立ち入りできないだろうしな。今日はここで、ゆっくり休め」


ウィル様は、静かにそう、ささやいてくれた。

今回も、ここまでお読みくださりありがとうございました。

継続してお読みくださるあなたがいるから、書き続けていられます。

本当に感謝しております。


リアクション、ブクマ、☆評価などを頂けると、今後の参考になりますので、

お時間ございましたらクリックしていただけると幸いです。


今回もありがとうございました。

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