表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーフエルフの父~エルフの里国編~  作者: タマツ 左衛門之介久


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/59

来客者 母王ジール

『スルガトキヒコ』

 えっ、名前を呼ばれた?

 オレを呼ぶ声が聞こえた。


 今は『トキヒコハウス』には、私ひとりっきり。

 窓の外を見るも、動物達は何匹かは居るけど、その中で喋る者、ましてや日本語を発声する者などは居ない。


『スルガトキヒコ』

 まただ。

「コレって、この声、母王ジール?」

 エルフの里国の最上位者に値する、母王ジールはエルフの王宮内にて過ごす。

 この場とその距離は視界に入らず、よって声など届くはずもない。

 しかし、今度は外に集まっていた動物達が動き出す。

「まるで逃げ出すかの様な者まで居る。何だ?何かが来るのか?!」


 改めて、この声の発声元を探してみる。

 お風呂場へ向い窓の外を見る、部屋内を縦断する形で下流側のドアを開ける。振り返って作業机から寝台を見る。

「誰も居ないよなぁ」


 ふと、母王ジールに頂いた『ロムブ・オコリカ・ルストーロ』が目に止まる。

「まさかなぁ、」

 この真っ黒な表面で姿見程の高さを持つ“鏡”は、作業机の背中方向の壁面に立て掛ける感じで飾っている。

 ただこの“ルストーロ(鏡)”は、魔力を持つ者でなければ何であれ映し出す事は適わない。

 だから今は、ただの真っ黒な一枚岩と変わらない。

「まさか、この鏡が喋った?」


 程なくして『ロムブ・オコリカ・ルストーロ』は小刻みに揺れ出した。

「何だ!何だ?」

 すると、真っ黒な菱形が光り出す。そしてテレビの画面が映し出されるかの様に、母王ジールの姿がルストーロ(鏡)に映し出された!


「ジ、ジールさん?」

 母王ジール、何で突然映し出された?それで全身像。

 そして『テレビ電話?』と思う間も無くスルスルと、ルストーロ(鏡)の中から、こちら側へと敷居を跨ぐかの如く、深い色のドレスの裾を摘みながら、ヒョイとその姿が現れた!

「えぇー!ウソッ!」こっちに来ちゃったよ!どうやって?どうやった!


 母王ジールが『トキヒコハウス』にやって来ちゃったよ!

 『トキヒコハウス』の周囲で休んでいた動物達は、母王ジールの持つ強い“魔力”の接近に反応したのか。

 でも突然の事だよ。


「なにスルガトキヒコよ、突然では無き。」

「いえいえ突然ですよ!」それも鏡から出て来るなんて、聞いて無い!


「先にお前の名を呼んだでは無かろう事。」

 まあ確かに、名前は呼ばれましたけど。

 この世界には、相手に対して声を掛けたり事前に連絡を入れることは、ほぼ無い。

 それは伝えられるから、相手に伝わってしまうから。

 だけど私の場合は、もしも誰かが近付いて来てたとしても、命在る者が持つ波動なんて感じられないから、分からない。


 えぇーだけど『ロムブ・オコリカ・ルストーロ』から声が出て来るなんて、更にそこから御出でになられるなんて!

 このルストーロが人が移動する何かのゲートとなる機能を持ってるなんかも、聞いて無いし、想像もしてなかった!

 ちょっと珍しく驚いちゃったよ。


「お前も驚く事があろうのか。」

「そりゃ有りますよ!」普通の人ですから。


「しかし、こうもすれば容易いな。お前は我が間へとは、なかなかに参らぬ依って。」

 私が行かないから来ちゃったなんて、いやだって特別用事ございませんから。

「其うも言うな。我との刻を持つのも良かろう。」

「いえ、何だか畏れ多くて」

 母王ジールはエルフ王家の頂点に立つ。

 王なり女王との立場を取らず共、それはエルフの里国においての最上者と呼ぶに値する。

 今は国政には関わらなく共、エルフ王家の3姉兄妹の母親である事も変わらない。


「わざわざお越し頂き恐縮ですが、で、如何されました?」

 本当に突然だけど、どうしたのだろう?あ〜、何かがバレたか?


「なに、お前と語る刻を持つも良かろう?」

 ええ、問題はございませんが、ですが何について?

 

 部屋の中で立ち話もなんなので、私は母王ジールを居間としてあつらえている一角に案内し、椅子を勧めた。

「此はエスコート、成るか。慣れぬ事。」

 あー、これっぽっちの案内でエスコートなんて、畏れ入ります。エルフ達だって、気遣いとかするでしょ?


「しかしながら、この狭さは如何とする。屋下(天井)が低かろう。」

 あ〜、確か誰かから聞いた情報で『トキヒコハウス』が狭いって仰ってましたが。


「ジール、何かお飲み物は?」

 と言っても、水しか出せませんが。

「エスコートは続くか。なに、お前が常成る摂る飲料を所要するはどうか?」

 何時も飲む物って、リーザが調達してくれた珈琲の代替品であり相当品『カワァ・ジアーナ』。

 ミルク入りコーヒー風味みたいにしてるからカフェオレ風で『カワァ・ジ・メレキエム』。


「では少し、お時間を下さいね」

 薄い陶器製のポットでお湯を沸かします。

 キッチンに備え付けられてる石窯には、熱鉱石と炎鉱石が組み込まれている。

 各種の鉱石は、魔力を流し込む事でその持つ性質を現すけれど、魔力を内には秘めない私は、さくらが作ってくれた魔力を留める事によってその性能を引き出せるスイッチ(の概念)を使います。


 お湯が沸けばその後は、挽いたコーヒー豆と同じ順序でコーヒーへとします。

 サイフォンなんかは無いけど、コーヒードリップの様に上からお湯を注いで。

 リーザ特製ブレンドのカワァ・ジ・メレキエムにお湯が注がれれば、コーヒーと同じ香りがこの部屋中に漂い出す。 



「ジールさん、砂糖とミルクはどうしましょう?」

 あー、さん付けでお呼びしちゃったよ。


「お前の常と同じで良き。」

 そうですか、私流だとメレシュシィニィ(何か乳性の物)と黒砂糖の様なブラウザベクキアーを入れます。要は砂糖もミルクもたっぷりと。子供が喜ぶコーヒー牛乳に近いモノになっちゃいますけど、、、まあ、いいか。


「お待たせしました」

 いそいそと、白い磁器性の器でリーザ特製配合の珈琲『カワァ・ジ・メレキエム』をお出しする。

 ひと口啜すすられましたが、感想は無し。

 いつもの『熱いっ』が出なかったのは、魔力による熱分の調整かなぁ。


「良いか。」

 私達は、机を挟んで向き合った。

「ええ、」

 ジールは私に何を話されるのだろう?


「スルガトキヒコよ、力を持つ者は、力を持つ者に惹かれる。」

 何となく、そんな事を聞いた事が有るような、、、強い選手や武道家は、より強い者を求めるとか?

 だけど惹かれるって、、、惚れる?

「其は魔力持つ者にとりても変わらず。尚も其が己の先と成る者であるなら、知りたい。」

「先の者?知りたい?」

「そうだ。先と成る者が示す道、見るべき先を知りたき。其はお前流であらば極普通の常識、である。」

 “力”は“力”に引き付けられる。それはこの世界において“魔力”持つ者は“魔力”持つ者に惹かれる。それが大きければ大きい程、磁石の様に重力の様に。

 大きな力を持つとされる母王ジールも例外ではなかった。


「ジール、先の者って、、、それってさくらの事ですか?」

 よく分からん力を持つとされる我が娘。

 表現方法は色々あるけど、先の者、、、ジールよりもさくらは何やら多くのその“量”を秘めているのか?

 さくらは、ザーララさんより力を持つって聞かされているから、ザーララさんに等しき力を持つとされる母王ジールよりも秘めるだか、持つ“魔力”が上の位置になるのか。


「左様、他に無き。」

 あ〜、ですねー。

「しかしな、スルガさくらが持とう力の起源であり其の因。スルガさくらに問おうとも、不明である。」

 あー、それは私も知りません。

「スルガさくらを介したる先、スルガトキヒコの存在は確認出来ず。」

 オレが原因ではなかったのね。

「私がそんなの持ってる理由わけ無いじゃないてすか」

 普通の人ですから。


「ですが、どうして?」

 力有る者は、力有る者に惹かれる、、、か。

「我は力を欲するのでは無き。」

 力有る者は力を、、、求めない?

「だが、スルガさくらの持とう“力”を知りたき。」


「其の因であれ源は、お前しか居ぬ。」

「いえさっき、さくらの“力”の素は私には無いって」


「我は想おう、何故、スルガさくらの力の起源をお前が持たずなのか、因はスルガトキヒコに限られ様事。其を知りたく。」

 リーザがさくらの持つ『力』の要素なり根源であったなら、エルフ王家の者達は解り、理解するそうですけど。

 何でオレがさくらの“力”の素を持っていないのかを知りたいって、、、だけどその原因は私に有るって、、、それって、無い物を探す様なものなんじゃないの?


「成らば、お前をもっと知らねば成るまい。」


 知りたい?それは要望や欲求か?エルフが何かを求めるなんて珍しい、例えそれがオレの事であったとしても、知りたいだなんて、、、


「お前は違えておる。」

「えっ、何を?」

 母王ジールは、オレの何が間違っていると言うのだろう?


「スルガトキヒコは、我らに対する思考と認識足る意識の置き場をたがえてる。」

 エルフ達に対する認識が間違ってる?

「我ら(エルフ)が求めぬ事など無いぞ。」

 エルフの里国の者達は、何かを積極的に求めたり、強い要望や欲求を現したりしない、、、欲望や野望なんかは、見た事も聞いた事も無いけど。

「我らとて生在る者。生在る者は常に何ぞを求め様事。」


「お前の持つ我らの求めぬとの性質は、飽くまでもお前の持つ価値観との比較から生じる思考である。」

 オレが持つ価値観?


「お前の持つ価値観の要望足るは、金品等の物質に依る物、娯楽に通ずる事象、社会的な地位としての位置付け。」

 まあ、確かに。


「生を営む価値の位置付けが、我らとお前と異なるだけの事。」

 価値の位置って、、、

「お前の欲する其れ等がこの場には無き。我らの里にて無きモノを求め様か、知らぬモノを求め様か。」

 オレが求めて比較してしまう価値観って、、、高級車や高級料理、ブランド物の服、宝石だったり、1等地だったり。

 確かに、物質が持つ金銭的な価値観だ。

 だけどココにそれらの物は全く無い。無い物、知らない物を求める事は無い。


「生在る者は常に求むる。」

「其はお前が持つ、生を維持する為の本能の一部。食にせよ、睡眠、性欲、生存欲、、、ただ、その求むる質が異なるだけの事。」

 た、確かに。そうかも知れませんけど、、、


「故にお前を知りたき。近く(早く)知るであらば、接しまじわる事と成る。」

 交わるって〜、女性から聞かされると、凄く淫靡!

 でも、相手の事を知るのに手っ取り早く身体に聞くって、何かの尋問よりも拷問みたい。

 少なくとも私はそんなやり方知りません。会話を続けた先とか、


「良いか?」

「そう申されても、」参ったなぁ。

 これじゃ『姉妹丼』に続いて『親子丼』になっちゃうよっ!

 それにオレは“魔力”を秘めてはいないので、ジールから惹かれる因を持ってませんが。


「スルガトキヒコは申す『来る者拒まず』とな。」

「いや、そうですけど、コレとソレとはちょっと、」

 それ、ココで出すのズルい!

 母王ジール、母親である事は間違い無いが、その見た目は、うら若くして成熟した人間の女性に変わらず。


「何、行為や事象の差異など有って無き事。」

「行為や事象の、、、いやいや、有りますよ!」

 手を繋ぐのと肉体関係を持つ事は違いますよっ!

「スルガトキヒコ、我を拒むか。」

 拒むも何も、今にもジールに飛び掛かろうとする欲望と自制心との戦いの真っ只中!


「ですがこう言う事って、お互いの気持ちとか」

「我はお前に好意を持つぞ。」

「我はスルガトキヒコを知りたき。其はお前を目にした刻へと戻ろう。」

 あー即答!

 母王ジールに初めて出会い、その姿を目にした時。


 エルフ里国の王、女王ユーカナーサリーに掛けて頂いていた、さくらの『枷』、それを外した時。

 石となってしまったと聞かされていた、母王ジールがザーララさんの山岳城の上階より階段を降りてきたあの日。


 その姿、目を逸らす事が出来ない程に惹きつけられた。

 何がそうさせたのか、今となっても不明だ。


 そして私は、初対面であるにも関わらず、強い眼光を受けた。

 にらまれてしまっているかの視線。それも理由は分からなかった、今も分からない。

 ただ、石になってしまっていた状態であっても、エルフの里国に現れた人間、別世界の生命体、私の存在は母王ジールに届いていたとか、、、。


「どうだスルガトキヒコ、お前の気持ちは如何と成る?」

 あ〜、好きか嫌いかと問われれば、断然好きです。

 でも、恋愛感情と言うのとは、ちょっと違う様な。

 だけど母王ジールに惹きつけられてしまう何かは変わらない。それはジールが持つ“魔性”なのか?

 この状態で拒める男子は居るのか?!あっ!


 トキヒコはひとつの作り出された空間に包まれる。

「コレって、、、」


 広くは無いと解る一方で、だがその境が解らぬ一種の囲まれた空間。

 この場は見えざる膜で包まれるように囲まれているモノ。だが、広くは無いと感じる一方で、手を伸ばしてもその空間の狭間には届かない。

「お前の空間認識力の高さは、目を見張るモノが有るな。」


 母親ジールが“魔力”に依り作り出した空間は『ニエ・ウィドヅクズジェテゴ・プレゼンステラゼン』。

 その概念は、この存在自体を外からは知る事も無く、分からず、干渉されず、空間自体を隠す。

 

 エルフ王家の強い力を持つ者が、トキヒコと過ごす為に創り出した魔力を行使したモノ。ザーララ、ユーカナーサリー。

「あ〜、親子だからか、、、」

 その上にこの状況。増々、、、逃げ場が無い、参ったなコリャ。


「そうも構えるで無き。」

「いやいやいや、」構えちゃいますよ!

 ジールがグイグイと迫って来る!

 何か違う一面を垣間見たような。


「スルガトキヒコ、」

 ジールは白く輝く腕を手の平を下に真っ直ぐとトキヒコに差し出した。

 トキヒコも釣られる様に、手の甲を上に自分の腕をジールへと向けた。

 二人の指先が触れるには距離が残る。

「今、我らには間を持つ。成れど先へと伸ばそう成らば、」

 ジールの伸ばした指先がトキヒコの指先へと届く。 

 そして二人の手は絡み合い、繋がれる。


「スルガトキヒコ、この後互いの触れ合う部位が変われど、行為や事象の差異は興るのか?此の状態にて何ぞは興ろうか?」

「いえ、でも、、、」

 今は手と手が触れ合うだけ。

 だけどその部位、、、身体の違うパーツに触れたら、大きな差異は生まれますよっ!

 だけど改めて女性と手を繋ぐなんて、何だか恥ずかしさを感じちゃう。


「此のまま、」

 ジールがトキヒコへと身体を寄せれば、二人の手は解かれる。

 そして解かれた手の延長線にはジールの白く輝く腕が続く。

 トキヒコの手の平はジールの腕を伝う様に位置を変える。


 母王ジールの白く滑らかな肌に触れれば、雄の本能は剥き出され、男子のソレは難無く反応する。

 ジールは微笑みを携えトキヒコを見つめる。

「その目!」

 今居る状態に加えて、ジールの持つオッドアイ。

 幻想的であり惹き込まれそうになるルビーレッドと煌めく黒眼の左右から見つめられれば、、、

 あがらえない。

 母王ジールの興す魔力に包まれているからなのか?

 それは戸惑いや躊躇、貞操感、罪悪感、自制心、、、全てを吹き飛ばす。

 

 ジールに惹かれる、、、何となく、若かりし頃に経験した記憶が蘇る。

 相手の事が気になる、そしてお互いに口を開くでも無く、何となく相手が自分に好意を持っていると感じた感覚。

 そして自分の持つ好意も、相手に伝わっている、、、互いが声に出さなくとも、気持ちが通じ合う、、、エルフ達であれば、私の意識も気持ちも読み取るけど。

 相手の意識も気持ちも読み取れない人間である私に、ジールが持つ意識が伝わって来ていたのだろうか。

 私がリーザを第一とするから、ジールの意識が届いたとしても、分からなかったのか?


 いずれにせよ、こんな状況でオレの目の前となるジールの存在は罪だよ。

「スルガトキヒコ、我を罪と申すか。」

「いえいえ、そんなつもりでは、」言葉のアヤですよ。

 あー私の思い、筒抜け。

「罪で良き。成らばこの罪、償わなくてはな。」

 ジールは輝く裸体をトキヒコに晒す。


「ジール、」美しい、、、

 性として、こちらに迫りつつあれど、肉体に対しては受け身となり、まるで身体を差し出すかの様だ。

 この手で掴んでいるのか錯覚させられる滑らかな肌。

 抱きしめれば、こちらが包まれてしまうも張りがあり、3児の母親である事なんて微塵も感じられない。


 白く透き通る肌を辿れば、この手は滑り出す。

 それは不思議な感覚。

 止められない。ジールの身体中を触れたくなり、手を離す事が適わない。両手は自然にジールの裸体を這って行く。

 そしてこの手が向かうべき所に届けば、ジールの身体は反り上がる。

 そこは、、、迎え入れる状態は十分に整っている。


 ジールは弱々しく微笑んでいるも、私を求めている事を感じる。

「我はお前を知りたき、お前は我に何を見せてくれよう、」

「ええ、行かせてもらいます」

「ああ、お前を見せろ。」


 刹那、ジールは身体を貫かれ、大きく身体を反らす。

「此、此の様な!」

 ジールの声は続かなかった。

 ジールは予期せぬ体の反応に戸惑いをみせる。

(「閉じたる眼が開けれぬ!此は、此は!」)

 ジールの絶頂だった。


 ジール自身の経験とは違う、いや、全く別の出来事と現せ様。

(「プレゼファイウ(流れが)、ファーラ(波)が、、、止められぬ!」)

(「此の様な事が、此は何とする?!あぁー!」)


 際限無く繰り返される、ジールの絶頂。

(「ザシエグ!、ザシエグァン?!届こうとは?!」)

(「何が、あぁー!ああ〜、此の様な!何が?あぁ~!グラゼバク!プレゼニカクー?!、、、」)

(「此の様な!グラゼバク、グラゼバック!(突かれるが如きに!)プレゼ二カクー!(貫きされておろうぞ!)」)

 ジールに生まれて初めてとも言える衝撃が走る!

 ジールの意識は真っ白に埋め尽くされる。


(「ザシエグ(届く)!」)

 繰り返し繰り返しトキヒコからの攻め。ジールは何かが書き換えられるが如く、新たな印が刻まれるが如く。

(「ザシエグ!我の身体の底へと届く!届くー!」)

 それは快感の一種。

 トキヒコの持つ“モノ”はエルフの“ソレ”とは違っていた。


『イミトワクに生殖となる機能に重きは置かず』

 エルフのルーツとなるイミトワクは、『その数を増やす為の生殖機能に多くを割かず、生殖行為の位置付けも低くく。』

 

 エルフの祖となるイミトワクを産み出したリニジュカは語っていた。

 そう聞かされたトキヒコは、もったいないなぁ〜と呟いたリニジュカが与えたイミトワクの性質の概念。

 種の繁殖に繋がる機能に多くが割かれていない、、、身も心も、、、それは性に対する興味も薄く、積極的に求める事も無く。

 多くの樹木の集合意識であり森の精霊でもあるリニジュカは、イミトワクを動物質由来の肉体を持たせるも、動物性の機能、ましてや本能は知らぬ事。

 イミトワクを祖に持つエルフの里国の者達に、それらの性質は受け継がれている。


 ジールの意識は嵐の中に投げ出される。

 激しい感情の流れが起こり、それは激流の如きジールを襲い、嵐に包まれる。

(「何としよう!何と成る?!」)

(「あー!あぁ~、しかし(性)行為にて、此の様な感情が生まれし等?!」)

(「呼吸と波動が定まらぬ!個々の同調が許されぬなど?!」)

(「まただ!また再びファーラッ!ファーラが収まらぬ!此の波から抜けられぬ!」)

 ジールは自身の内より起こる、激しい波に飲み込まれた。



 時間としては、どれぐらいが経ったのであろうか。

 ジールは、、、文字通り果てた。

(「此の様な、、、我は、、、此はウルガァ(安堵)に繋がるか、オドポシィヅチェニック(休息)で或るのか?此れ成れば オドポシィチェンク(休息感)とでも表せし事なのか、、、」)

(「我は、我は、どうしたのだ?スルガトキヒコ、、、お前に、、、オプルゼクシーエ(抗い)、、、いや、抗えぬ刻を持つなど、、、此成ればポッドォダク・シーエ、、、屈するに等しき、、、」)

(「だが、、、いや、、、此が、、、心地よい、、、。」)

 エルフの里国の母王、ジールは恍惚とも取れる意識を表していた。



「スルガトキヒコ、お前を知るには至らなかった、、、」

 ジールは新たな性を知り、絶頂に至った。


「満足させれませんでしたか。ちょっと、ショボ〜ン」

 流石に母王、何でも経験値は高そうですからぁ。

(「満足?我は満たされておる、、、此の心地よき成れが満足と申そうか、、、」)

(「だが、、、だが同時に、此の欲求が生まれし、、、」)


「又再び、、、我はお前を知る機会が必要だ。」

(「スルガトキヒコ、お前を知るいとまの刻を与えられしなど、無きであった、、、我はどうなったのだ、、、もっと、、、又再び。いや、我は、、、」)


「尚もスルガトキヒコ、お前特製の珈琲か。再び馳走にならねばな。」

 自身が初となった経験、知らぬ意識の発生、、、ジールの照れ隠しでもあり、強がりであった。


 あ〜、お気に召して頂けたのなら幸いですが、あれはリーザ特製なんですけど。お子様向けのコーヒー牛乳並み。

 だけどコレって、再訪の理由付けされたのか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ